日本の精密加工技術で生まれたアルミ削り出しの高級カラビナ『CARABINER』はため息が出そうな美しさ

美しいオブジェとしても

 

わびさびテイストさえ感じさせる精密なフォルムが印象的で、第27回 日本文具大賞(ISOT)2018の機能部門でも話題を呼んだ『CARABINER(カラビナ)』。factory+stationeryでFactioneryというシリーズの一つで、これは日本が誇る町工場技術をデザイナブルに表現したクールジャパンな逸品である。

 

極小スリットが嘘のようにぴったりと重なり、つなぎ合わされる、ため息が出そうな高精細美!

株式会社モールドテック(神奈川県藤沢市)の『CARABINER』(アルミ製・希望小売価格 税抜14,000円・発売中)は、実用というよりもガラスケースに入れて飾りたくなる精巧なフォルムが特徴。素材はアルミの削り出しなのだが、あえて染色部分を削ることによってグラデーションを表現。

カラビナは今どき100円ショップでも手に入るが、そのフォルムはやはり大量生産フォルムなのはご存知の通り。便利ではあるけれど、信頼性には欠けるし、見ていて楽しくなるものではない。

もともとカラビナは登山用具で、命をつなぎとめるものだったから、その出自はシリアス。しかし今では着脱しやすいキーホルダー的に軽い気持ちで使われることが多い。強度も人間よりも鍵や財布をつける程度なので、あまり必要とされていないのが現実だ。

もちろんこの『CARABINER』も、人命に関わる進化というよりも、リングとリングをつなぎ合わせる美学の方面に進化した逸品。精密機械加工で知られる株式会社関東精密が、西村拓紀デザイン株式会社の繊細なデザインを町工場の最先端技術で加工して完成したもの。

カラビナといえば普通は可動部があって、そこを開閉して何かしらをつなげるものだが、これはカラビナ同士を極小スリットで繋げられるのが特徴だ。その緻密さは高難易度の知恵の輪なみ。ものすごくきっちり合わせないと外れないので、予期しない動きで外れる事はないが、外そうという意思があっても集中しないと外せない。そしてその合体する様は、思わずため息が出るほど精密な美にあふれている。

もちろんお値段の方も、カラビナとしてはため息が出るレベル。なので特別な人へのギフトなどの用途がメインになるのかもしれない。こんな町工場技術のスイを極めた逸品、普段使いして見とれられる人は贅沢だと思う。

カラバリはレッド、イエロー、シルバーの3色展開。
入手は公式サイトなどで可能。

 

Factioneryシリーズには他にこんなものも。

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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