『iQOS(アイコス)』実際に使用してみてわかった喫煙者と非喫煙者が幸せに共存するための妥協点!
喫煙者は逆風に晒されている。タバコこそ迷惑の象徴、社会的には禁煙圧力が強大だ。そんな中、「マールボロ」でおなじみのフィリップモリス社による煙の出ない加熱式たばこ『iQOS(アイコス)』が登場し、喫煙者には禁煙以外の選択肢が現れたかのように見える。それは本当なのか?
【基礎知識編】『iQOS(アイコス)』は電子タバコではない
『iQOS(アイコス)』は正確には電子タバコではない。電子機器を使ってタバコ葉を加熱して、その蒸気を吸い込む加熱式たばことなる。一方「電子タバコ」はニコチンをグリセリンに溶かしてリキッドにしたものを水蒸気として吸うものの名称。別名「VAPE(ベイプ)」。
海外ではシェアをどんどん高めているのは電子タバコなのだが、日本ではこうした加熱式たばこのiQOS(他にはJTの販売する「Ploom TECH(プルームテック)」がある)が勢いがあるのはなぜか。普通に考えれば日本でもドン・キホーテなどで売られている電子タバコにニコチン・リキッドを入れて売ればいいのではないか。
その理由は日本の薬機法(薬事法)にある。タバコ葉を売ることはタバコ店やコンビニエンスストアなどで可能だが、ニコチン・リキッドという液体の形になると日本では薬機法(薬事法)の管理下になり、薬扱い。なのでタバコ店でニコチンリキッドを売るわけにはいかない。そこであくまでタバコ葉を加熱して蒸気を発生させて吸い込むという不思議なiQOSシステムが発売されているのだ。
『iQOS(アイコス)』本体キット入手のための困難な道のり
そうしたガラパゴス的な背景はあるにしても、有害な副流煙を発生させないiQOSは、周囲の目を気にする日本人にとっては非常に魅力的な製品だ。事実今年4月に放映されたテレビ朝日系「アメトーーク!」で特集されてその存在が知られるやいなや、店頭からiQOSキットが一気に消えた。この原稿を書いている7月末でも未だ店頭に在庫はほとんど無い。入荷の目処が立たないために予約さえ受け付けていない状況。今の所は全国のコンビニエンスストアで各店1〜2個、たまに思いついたように入荷するiQOSを運良くゲットするしか手は無い。
記者ももちろんそうした入手困難の中、この検証のために手に入れようとしたのだが、それはそれは苦労した。看板を置いてあるからと突撃しても、どこの店でも「置いてません、入荷予定もわかりません」と口を揃えるので、だんだん気分的にも凹んできたものだ。
そういう状況で1ヶ月半ほど経った頃、近所の行きつけのタバコ店でいつもの通り「欠品中」の貼り紙を見つめていたのだが、念のため店員に聞いてみると「あ、ちょうど予約を再開したところなんですよ」との返答。
驚きとともに、もう何も考えず前のめりに予約。それから二週間ほどで無事入手することができた。カラーリングはホワイトとネイビーの2種類で、汚れの目立たなそうなネイビーを選んだ。その数日後にその店で状況を聞くと、その予約も大量に殺到したためにすかさず再度予約停止したというので、ものすごく運が良かったということらしい。そんな風に幸運の女神さえ味方につけないと手に入らないのがiQOSなのだ。
さらに購入手順も普通のタバコと比較にならないほど面倒。購入時は事前にアプリ「iqos.jp」をダウンロード、必要な登録をしておく必要がある。これをしておかないと割引もきかないし、店頭での購入手続きもできない。
『iQOS(アイコス)』は電子機器でなので壊れやすい。そんな時も保証がないと無償修理などができないので、この登録は事実上必須だ。価格は税込定価9,980円だが、アプリ登録によるクーポン価格で4,600円OFFの税込5,380円だった。
このように入手困難なiQOSだが、この状況もそんなに長く続くとは思えない。なので入手可能になった時にすかさず購入意思を決められるように、ここでiQOS運用を徹底的にレポートしておこうと思う。果たして喫煙者の救いの神になるのか、iQOS!