自販機界の本格コーヒー職人が生み出した今どきの『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースコーヒー/ラテ』が、一筋縄ではいかない!
ダイドーの缶コーヒーと言えば、質実剛健な本格派職人気質コーヒー。ただ他メーカーが自販機販売比率3割程度に対して約8割を自販機が占めるので、コンビニ派にはピンとこないかも。でも香料を使わないコーヒー本来の味を大切にするその姿勢はレア。そんなダイドーが昨今のオフィスでのちびだら飲みに適した『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースコーヒー/ラテ』をリリースした。
オフィスでのちびちびダラダラ=ちびだら飲みに最適化したダイドーのペットボトルコーヒー
今、缶コーヒーにしてもチルドコーヒーにしても、リキャップ可能なボトルタイプのものが人気だ。それに火をつけたのは昨年6月に販売開始したところ、3日で出荷停止となった大ヒット商品「クラフトボス」の存在がある。
その路線をいち早く追っかけたのは、伊藤園が擁する「タリーズコーヒー」ブランド。電子レンジで再加温できるという特徴のペットボトル製品だった。
その流れをいささか遅いタイミングではあるが、ダイドーなりに昇華させたのが、ダイドードリンコ『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースコーヒー/ラテ』(280mlPET・希望小売価格 税抜各130円・2018年3月5日発売)。オフィスでちびちびダラダラ飲むために、このリキャップボトル系はコーヒー味が薄いのが特徴だが、本格コーヒーのダイドーは、これをどう料理するのか。
見た目は小ぶり。通常ちびだら系コーヒーは大容量が主流だが、これでいいのだろうか。意識したのはカフェ。パッケージに描かれているメイソンジャー(サラダを入れることからブームを呼んだスクリューキャップのガラス容器。コーヒーも入れる)で飲む雰囲気というが、形は普通のミニタイプのペットボトル。少々無理があるのではないか。
まあストローを突っ込めば、メイソンジャー気分を味わえないことはない。問題はやっぱり味だ。この手のコーヒー飲料はスムース表現が多いが、基本的にはコーヒーが薄めなことを表すと覚えておこう。
『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースコーヒー』
一口飲んで驚いた。ちゃんとガツンとしたダイドーならではのコーヒーの味がする。それでいて確かにアメリカンな薄さを保っている。厳選5ヵ国のアラビカ豆をブレンドして、クリアエスプレッソを加えて、何度もろ過してスムースにしたんだそう。いや、何たる朴訥ぶり。正直村の村長ばりに手間がかかっているのに頭が下がる。
砂糖をほんのちょっとだけ加えてあり、純粋ブラックではないのだが、コーヒーの味と香りを損なわない、意味のある加え方。昭和スタイルのアイスコーヒーのようで、たまらなくノスタルジー。しかもしっかり苦味も感じさせるところが質実剛健ぶりを際立たせる。これは素敵なちびだら飲みコーヒー。もちろん香料は使用していない。
『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースラテ』
「クラフトボス」が発売されるや否や瞬殺となったのは、ラテの方だ。なので自然とこちらの仕上がりがより気になってしまう。キャップをひねると、ミルキーさと質の良いコーヒーの香りのハーモニー。すでに美味しい予感しかしない。
飲むと確かに苦味をコーティングするマイルドなミルク感がある。しかしそこはダイドー、深煎りアラビカ豆とクリアエスプレッソの追加で、しっかりコーヒーのボディー感を感じさせる作りになっている。そこに優しげな砂糖主体の甘さが加わり、まさにカフェの味。というか、カフェでこのレベルのコーヒーはなかなか出会えないかも。
ブームから時間が経ってのリリースには理由があったと感じさせる真っ正直なちびだら系コーヒー。ただ結構美味しいので、ついグビグビいってしまい、全然ちびだらにならない可能性もあるので注意が必要だ。
入手は自動販売機が一番たやすいだろう。『ダイドーブレンド グッドワークブレンド エアロスムースラテ』に関してはコンビニエンスストアでも販売されるそう。
photo by 尹 哲郎