【ちゃんぽん対決】『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』VS『マルちゃん 青いちゃんぽん』が同時リニューアルしたので食べ比べてみた!
ラーメンじゃなくて、うどんやそばでもなくて、”ちゃんぽんを食べたい!”という瞬間が人にはある。野菜不足だったり、魚介の味も豚骨味も同時に楽しみたいという時だったりするかもしれないが。奇しくも今回『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』と『マルちゃん 青いちゃんぽん』が同時にリニューアルしていたので、食べ比べてみたい。
味わいの方向性は全く別物。クサいのか、クサくないのか、それが問題だ!
ちゃんぽん自体は日本各所に存在している中華と日本の文化のそれこそ”ちゃんぽん”でできた麺メニュー。ただ世間一般でちゃんぽんといえば長崎ちゃんぽんを指すことがほとんどだ。そのちゃんぽん=長崎ちゃんぽんのイメージを加速させたのは1974年にチェーン展開を始めた「長崎ちゃんぽん リンガーハット」だろう。今や日本全国で一番食べやすいちゃんぽんと言えば、全国に600店舗以上展開するここ。
ちゃんぽんのルールがわからないという人もいるかもしれないが、長崎ちゃんぽんと呼べるのは長崎県内で独自のかんすいを使用したものだけというルールがある。太麺をスープで煮るというのも、ラーメンとは違う特徴。麺の食感も太麺ラーメンというわけではなく、伸びにくい歯切れの良い太麺が中心だ。
スープは豚骨がベースになっているのが普通。野菜や海鮮具材、かまぼこなどごちゃごちゃに入っている見た目は、やはりラーメンとは一線を画すルックス。記者的には小さなたこやイカの足がくるっとしているのが入ってて欲しいという要求がある。
それでは二者比較スタート。
これぞ、コンサバ!
エースコック『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』
豚骨ダシはしっかり感じるものの、臭みは少なく、誰が食べても美味しいという可能性が高いのがリンガーハットのメインメニュー・長崎ちゃんぽん。この『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』は、その万人受けなプロフィールをそのままカップ麺に仕上げた。後入れ液体スープが付属。
スープは確かに豚骨の旨みがしっかりするのだが、全然獣くさくない。複数のポークを使用しただしとともに野菜の甘みがバランスをとって出来上がる白いスープ。湯入れ時間は5分と長めなのは、かなり太い油揚げ麺を使っているから。食べるとぶちぶち切れがちなところも完コピ気分。
かやくはキャベツ、えび、かまぼこ、もやし、人参と、主役はヘルシーな野菜の模様。野菜は全て国産を使用しているところからも、安全・安心の優等生ぶりがうかがえる。
安心感のある普通の美味しさ。それこそ子供からお年寄りまで平等に笑顔になれるコンサバティブ極まる味わいが特徴だ。
まさにくさウマ!
東洋水産『マルちゃん 青いちゃんぽん』
食品に青は禁じ手とデザインの世界では昔から言われている。日本だけの現象ではなくて、世界的に言われているカラーリングの基本である。そこに果敢に挑戦して、レギュラー化できていないという結果を出しているが、ここに来てリニューアル挑戦となった。
湯入れは『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』と同じ5分だが、明らかに方向性の違いを鼻でわからせてくれたのが、後入れ液体スープ導入時。
ものすごく、臭い!
そう、豚骨特有の強烈な獣くささ。そこに魚介風味のオイルの小袋も投入。ぐるぐるとかき混ぜると立ち上るのは、これまた強烈なニンニク風味。なんと攻撃的な…。
先ほど食べた『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』と180度違うこの方向性。口が裂けても万人受けとは言えないアグレッシブな仕上がり。
ちゃんぽん麺は太めの油揚げ麺だが、縮れが強く、幾分細いラーメン感の強いもの。食べると何ともワイルドでパンチの効いた味わい。
獣と魚介と野菜のハーモニーは、ギラギラの男が愛しそうな味。
結果発表:コンサバな『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』、野性的な『マルちゃん 青いちゃんぽん』
オフィスで食べるなら、食後にミーティングを控えているなら、スッキリしたタイプの面メニューが好きなら『タテロング リンガーハットの長崎ちゃんぽん』を選ぶしかない。一方後先のことは考えない、己れの野生を目覚めさせたい、ニンニクの入っていない麺なんてという攻撃的な人は、気合を入れて『マルちゃん 青いちゃんぽん』を試してもらいたい。入手はコンビニ、スーパーなどで可能だ。
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photo by 尹 哲郎