70年前ベルギーで誕生した着脱可能なカスタマイズノート『FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK』の自由な使い心地に惚れた!
あらゆるもののデジタル化が進む昨今、ノートを使う機会は格段に減少したが、アナログの速筆性、自由度、視認性などアナログノートの有意性は依然として変わらない。『FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK』はそんなアナログノートの自由度をさらに向上させた文房具だ。
ページを付けて外して好きな場所へ。この操作だけでも楽しめるデザイン性と機能性の両立
ノートや手帳にスケジュールをメモをしたりアイディアを書いたり……スマホアプリが充実し、色んなことができるようになっても、これらの作業はアナログの方が良いと言う人も多いだろう。
その理由は自由度。ちょっとした隙間に書きこんだり線を1本足してみたりハートマークを付けたり……自分の思った通りに書き込むことができる。その点デジタルは、システムに依存した入力しかできないため、ペンならばあっという間にできる作業もややこしい操作が必要だったりそもそも対応していなかったりと不便な点も多い。画像とテキストをシームレスに扱うことを考えると、やはり手書きのフレキシブルさには勝てない部分もあるのだ。
さらに問題なのは、そうした機能を意識することによって、自由な発想が阻害されるという説もあること。近年再び手書きの大切さにスポットが当たっているのは、そういうわけだ。
今回検証するのはK-DESIGN WORKS(東京都武蔵野市)の『FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK』(サイズ:213mm×163mm・D7カバーセット 2,484円+ D7リフィル 627円 =税込3,111円〜・発売中)。アナログならではの自由度を備えた便利文房具だ。
第27回 日本文具大賞2018 デザイン部門グランプリを受賞した、これまでのアナログノートよりもさらに自由度を向上させたノート。70年前のベルギー発祥のディスクバインド方式を採用しており、国内で初めて商品化された。
ディスクバインド方式とは、紙をディスクで綴じることで1ページ単位で付け外しができる方法のこと。パッと開いたページに書き込み、後からページの順を入れ替えたり、書きこむ内容に応じてページの種類(罫線有り・無地)を変更したりと使い方は様々。
ルーズリーフと違って1枚ずつ手で付け外しをするので、複雑な形状のパーツを使う必要がない。また、違うサイズの用紙も取り付けることができるので自由度ははるかに上だ。バインダーもないので折りたたんで使うこともできる。
ルーズリーフとリングノートの良い所取りをした商品ともいえるだろう。
実際に触れたのは、アルミ製のディスクが7つ付いたD7タイプ。大きさはA5程度で、表紙は本革を使ったレザー仕様だ。使い込むほど味が出てくるので、まさにあなただけのノートとなる。
用意されている紙は横罫、方眼、無地の3タイプ。メモを取ったり図形を描いたりイラストを描いたりと場面に合わせて使い分けることができる。あらかじめ3タイプとも取り付けておき、後から順序を変更して順番を整理すればよい。
この商品の最大の特徴は、別サイズの紙も取り付けられるところ。このD7と呼ばれるサイズのほかに、D4、D3というサイズも発売されている。お察しの通り、D4はディスクが4つ、D3はディスクが3つ分の大きさというわけ。
特にD3にはToDoリストや1週間のスケジュールを書きこめるページが発売されている。これをD7と組み合わせて使うことで、自由度が格段に向上する。
例えば、スケジュールとTodoリストを横並びにして見比べながらメモを書きこんでもいいし、Todoリストの右側にイラスト付きの詳細を書きこんでもいい。D7にD3やD4のページがあるとページ間に若干の隙間ができて、index代わりにもなるのも隠れたGoodポイントだろう。
実際に付け外しを行ってみると、初見でも簡単に着脱することができた。ディスク1つ1つに対して手で押しはめればよいので、ルーズリーフのように同時に26穴を通す面倒さもない。取り外すのもメモ帳を破るような感覚で左から右へ引き抜けばOK。
ただ、同時に10枚以上を着脱するのは難しい。紙が厚くなってディスクに引っかかってしまう。総とっかえする時は少し面倒かもしれない。
ページの総数は50~70ページ程度がちょうどいい感じ。少ない分には問題にはならないが、70ページを超えるとページが外れたりめくれなかったりと支障をきたした。
アナログの自由度を大きく広げた『FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK』。進化するのはデジタルだけじゃないと思い知らされる1品だ。
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photo by 髙水弐徳