ビッグデータを活用し、2400万通りの食材の組み合わせからAIがはじき出した美味しさの結論は?『日清トマトチキンカレーメシ AIが考えた』
AIが人間の知能を超えるシンギュラリティの日も近いと噂される昨今、今回はビッグデータをベースに東京理科大学理工学部経営工学科・大和田 勇人教授監修でAIに美味しい『日清トマトチキンカレーメシ AIが考えた』を考えさせたという。特異なCMがじゃっかん鼻につかないでもない「カレーメシ」だが、その美味しさは結構王道なので、果たしてどんな仕上がりになっているか気になる。
人工知能は自分では食べられないというのに、美味しい組み合わせを知っていた!?
次から次へと新製品を投入して話題作りをする商品ナンバーワンとしておなじみのカップ麺系(これはライスだが)。味のバリエーションにはそもそも限界があるということからか、別の角度から攻めてきたのが日清食品『日清トマトチキンカレーメシ AIが考えた』(99gうち麺69g・希望小売価格 税抜220円・2018年9月3日発売)だ。
その手順は、以下の通り。
- ビッグデータから「カレーメシ」の購買者が好むレシピの傾向を分析
- その傾向を元にAIを駆使して、2,400万通りもの食材の組み合わせの中から、「カレーメシ」ファンが好むであろう最適なレシピを選定
- 選定したレシピを元に、商品担当者が試食と検証を繰り返しながら商品化する上で味のベースとなるメニューを開発し、実際の商品へ落とし込むことで完成
AIの使用は、東京理科大学理工学部経営工学科大和田 勇人教授が監修したというから本格的だ。
きちんと試食しているので、正確にはAI+人間のフィルターを通した美味しさということとなるが、その方が安心だ。では食べるために作ってみよう。ちなみにこうしたカップライスはともすると作り方が複雑だと思われることもあるが、「カレーメシ」はお湯を入れるだけなので手軽。
『日清トマトチキンカレーメシ AIが考えた』も熱湯を入れてフタをして5分待ち、フタをめくってスプーンなどでかき回す。箸だと食べにくいのでスプーンがおすすめ。題材はトマトチキンカレーということで、トマトの酸味とチキンの美味しそうな香りがハーモニーをうんだカレー味。
最初にかき混ぜた時点ではスープカレーのような趣きで、さらりとしたテクスチャーで少々物足りない。トマトの酸味は強くなく、具材(かやく)は蒸し鶏とトマト。この段階ではトマトリゾット感の方が強く感じる。
諦めてゆっくり食べていると、次第にスプーンが重くなってくる。そう、とろみが増していくのだ。そうなると俄然カレー感が強くなってくる。この時点では非常に美味しいトマト風味のカレー味。ライスももともと国産米を使用して、既存のカップライスの常識を打ち破る美味しさを実現した「カレーメシ」だが、時間が経つと膨らみつつもフォルムを崩さない立派な美味しい米粒となる。
コンビニおにぎりなどで主流となっている、はえぬきブランドの米のような美味しさが、カレー味に見事にマッチ。AIが考えたということで不安視していたが、考えてみるとこれはAIが人間向けに選んだ味なのだから、良かったのかも知れない。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。
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photo by 髙水弐徳