LIXIL『スマート宅配ポスト』業界初! 複数個の荷物が受け取れて集荷依頼も可能なIoT宅配ポスト

 

ネットショッピングが普及し、宅配便を受け取る機会が増えた。しかし、不在なときに限って宅配便が来るということがよくある。マンションなど集合住宅では宅配ボックスが普及しているが、一戸建て住宅ではまだまだ普及しているとは言い難い。そんな現状に一石を投じる画期的な戸建住宅向け宅配ボックスが誕生した。LIXIL『スマート宅配ポスト』はIoT技術を活用して複数個の荷物を受け取れ、しかも集荷依頼も可能。どのようなシステムなのか取材した。

 

不在で再配達という無駄をなくすために開発

近年はネットショッピングなどが一般的となり、宅配便が荷物を運んでくる機会が増えたという家庭も多い。実際、2017年度の宅配便の取り扱い量は、なんと年間42億個を超えたという。しかし、ついつい不在にして再配達を依頼してしまうケースも多く、これが労働生産性の低下やCO2排出量の増加など、物流業界への風当たりとなってしまっている現状がある。

宅配便が荷物を届けに来ても、不在にしていると再配達を依頼しなければならない…

マンションなどの集合住宅では、宅配ボックスを設置されている物件が当たり前となってきているが、戸建住宅では宅配ボックスの採用が1%未満にとどまっているという。

LIXIL『スマート宅配ポスト』なら不在時でも複数個の荷物を受け取れる

株式会社LIXIL(東京都千代田区)は、IoT技術を活用した画期的な宅配ボックス『スマート宅配ポスト』(ファンクション仕様・代表セット価格 税抜266,000円・2018年10月1日発売)の販売を開始した。この「スマート宅配ポスト」は、スマホに荷物の受取通知が届くほか、宅配カメラ機能によって荷物を見守ったり、受け取りもできる戸建住宅向けの宅配ボックスなのだ。

「スマート宅配ポスト」の開発経緯について語るLIXILエクステリア事業部長の庵原岳史さん

記者発表会に登壇したLIXILの庵原岳史エクステリア事業部長は「戸建住宅向けの宅配ボックス市場は、2023年には550億円規模になると予想されています。LIXILではIoT技術を活用してエンドユーザー、宅配業者、EC事業者それぞれの抱える問題を解決していきたい」と展望を語った。

 

なんと複数個の荷物を預け入れることができる!

「スマート宅配ポスト」の使用方法を解説するLIXILエクステリア事業部第三商品開発室長・井出眞治さん

続いてLIXILエクステリア事業部の井出眞治第三商品開発室長が「スマート宅配ポスト」の使い方を実演。操作パネルはガイド機能が装備されているので、機械が苦手なユーザーでも簡単に操作できるという。宅配業者が荷物を届けに来たが、不在だったので「スマート宅配ポスト」に荷物を預ける実演を行い、記者席からは「これは便利だ」「2個も荷物を預かってくれると助かる」といった声が上がっていた。

ガイドつき操作パネルを押すと…

なんと、2箱のダンボールが出てきた。これなら不在していても安心だ

「スマート宅配ポスト」は、宅配ボックスとポスト、サイン(表札)、インターホンと一体化していて、とてもスマートでシンプルなデザイン。スマホと双方向でつながることで、先述した複数の荷物受け取りはもちろん、不在していても宅配ボックスから荷物を発送できる「集荷依頼」にも対応している。2018年10月1日の発売時点で、集荷可能な業者は1社となっているが、LIXILではデータをオープンな仕様にしており、対応業者が増えていくのは間違いないだろう。

 

「CEATEC JAPAN 2018」にも出展するので実物を見てみよう!

戸建住宅の宅配ボックス需要は、今後ますます増えていくことが見込まれる。しかし、ただ不在時の荷物をひとつだけ預け入れておく機能では物足りない。戸建住宅に住んでいる人なら、これからはIoT技術を駆使したLIXIL「スマート宅配ポスト」がスタンダードになることは覚えておきたい。

 

なお、2018年10月16~19日に幕張メッセで開催されるアジア最大級のCPS(サイバーフィジカルシステム)/IoTの総合展示会「CEATEC JAPAN 2018」にLIXILも出展する。今回発表された「スマート宅配ポスト」も大々的に展示・実演される予定なので、興味のある人は足を運んでみてはどうだろうか。

 

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塩田和夫

東京都在住、WEBライター。フラットな視点が持ち味。

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photo by 尹 哲郎

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