高級筆記具『パーカー』創業130周年記念モデル第2弾。 旅への情熱を刺激する『ソネット スペシャルエディション』登場!
高級万年筆ブランド『パーカー』の創業は1888年。今年で130周年ということになる。高級筆記具として英国王室御用達ブランドとしても知られる『パーカー』。その創業130周年記念モデルの第2弾『ソネット スペシャルエディション』が、9月25日より発売開始された。創業者ジョージ・S・パーカーの「旅」に対する情熱や探究心にインスパイアーされた、美しく、機能的なモデルは、手にする者に一体何を語りかけてくるのだろうか。
世界を言葉にしたためる想い
『パーカー』ブランドを展開するニューウェル・ラバーメイド・ジャパン株式会社(東京・千代田区)の、『ソネット スペシャルエディション』のサイトを見ると、そこには「Put the World into Words」というフレーズが掲げられている。「世界を言葉に!」とでも訳せばいいだろうか。このフレーズが意味するのは、知的好奇心旺盛で、旅を愛した『パーカー』の創業者ジョージ・S・パーカーの「旅」への熱い想いだろう。
洋の東西を問わず、人生は旅に例えられる。そして旅には、それを記憶し記録する筆記具がお供をするものだ。つまり旅を文字にすることは、人生を記録することでもある。そこには心を熱くする相応の筆記具が、いずれは欲しくなる。
すでに、『パーカー』は130周年記念モデルの第1弾として、同ブランドのフラッグシップモデルである『デュオフォールド』の「旅」をコンセプトとするスペシャルエディションを発売している。今回の第2弾は、中堅モデルである『ソネット』からのリリースということになる。記者には『デュオフォールド』は恐れ多いと思っていたところだったので、これは嬉しい第2弾の登場となったのである。
7つの海を渡る創造性を刺激される
『ソネット』は、パーカーペンのラインナップの中では、美しいフォルムと実用性を兼ね備えた、それでいてデザイン性の高いモデルと言っていいだろう。記者にとっては、『ソネット』は、手になじむペン先からボディにかけてのクールなデザインが好みの1本でもある。
その『ソネット スペシャルエディション』として、旅をモチーフに4種類のモデルが発売されたが、今回は海をイメージしたブルーが目にも鮮やかな『アトラスCT』万年筆とボールペンを試し書きしてみた。『アトラスCT』には、「Journey~旅をする歓喜」というサブタイトルが付されている。
何より見た目の美しさがいい。紺碧の海を思わせるブルーのボディには「7大陸が浮かぶ世界地図」が刻まれている。またスターリングシルバーのキャップに描かれているのは、北極から見たダイアグラム。そこにはパーカーのトレードマークである「矢羽のクリップ」が配置される。万年筆のペン先(ニブ)は、18金のロジウムプレート仕上げで、ペン全体がブルーとシルバーで統一されている。
私事になるが、万年筆好きの記者の最初の万年筆体験は、実は父親からもらった「パーカー51」という古いペンだった。それが、この『アトラスCT』同様、シルバーと濃紺のツートーンカラーだった。
そんな懐かしさを胸に、『アトラスCT』万年筆(希望小売価格 税込54,000円・2018年9月25日発売)で文字を書いてみると、そのニブ(ペン先)のタッチは時代とともにはるかに洗練され、しっかりとコシのある感覚になっていることに驚かされる。記者の「パーカー51」は、古い“アメ車”のサスペンションのように柔らかでフワフワしている。それに対し、『アトラスCT』のニブは、ドイツ車のようなしっかりとした“足回り”。とはいえ、やはりパーカー独特の優しいタッチのニブである。アメリカ生まれの『パーカー』が、現在はイギリスの会社であることを思えば、さしずめ“ジャガーの猫足”のようなニブと言うべきか。
ペン先の太さはFとMの2種類。ペンの重量感と、太すぎず長すぎない大きさが使いやすい。これなら旅に持って出かけるのにちょうど良さそうである。
万年筆と全く同じデザインで、サイズをひと回り小振りにしたのが、『アトラスCT』ボールペン(希望小売価格 税込32,400円・2018年9月25日発売)。
回転繰り出し式なので、ペン先は安定していて、しっかりと筆記する気分にさせてくれる。また油性インクの適度な粘り気と抵抗感は、日頃水性ペンに慣れた多くの日本人には、ちょっと重い書き心地があるかもしれないが、こうした使い分けもまた、非日常の旅のお供にはちょうどいいのかもしれない。
使い分けといえば、ボールペンは、万年筆よりもカジュアルに使える気楽さがある。旅の目的地や気分に合わせて、万年筆との使い分けもありかもしれない。
好みで選ぶ「旅」のインスピレーション
『ソネット スペシャルエディション』には、『アトラスCT』の他に3種類のデザインを選ぶことができる。上の写真は、『メトロCT』~Challenge~未知への挑戦である。ブラックラッカーのボディに、パリの街路の地図が描かれたキャップをまとう。
こちらは『ストレータPGT』~Explore~新しい世界の探求と名付けられたモデル。アースカラーのニュアンスのグレーのボディに、ストレータ(地層)をイメージしたデザインが刻まれたキャップを持つ。
そして最後は『トランジットGT』~Reflection~内省を深める瞬間である。マットブラックの高級感あふれるボディにゴールドのリングとクリップ。そしてキャップデザインは、旅の記憶となる各国のパスポートや郵便切手をモチーフにしている。
以上4種類のラインナップの価格は以下のとおり。『アトラスCT』のみ、異なる価格設定となっている。
日常をはなれ、非日常へと知的冒険の旅にでかけてみよう。そしてそれを言葉で記録してみよう。「Put the World into Words」。世界は驚きに満ちている。デスクの前にいても、7つの海に船出している気分にさせてくれる。それがきっと、ジョージ・S・パーカーからのメッセージ。その想いを『アトラスCT』は語りかけてくる。
(余談:『パーカー51』から始まった記者自身の筆記具との旅路も、再びシルバーとブルーの『アトラスCT』から新たな一歩を踏み出したくなった。なぜなら奇遇にも今年、父から譲り受けて51年の年月が経過したことに気が付いたからである)
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photo by 尹 哲郎/Official images