【アイコス3 時代突入】『アイコス3』『アイコス3マルチ』『アイコス2.4Plus』はいったいどれを選べばいいの!?
2018年11月15日についにフルモデルチェンジを行なったアイコス(フィリップ モリス ジャパン)。ユーザーにとって気になるのは買い替えした方がいいのか、現状維持でいいのかというところだろうか。そこで1ヶ月間、新発売2製品含む現行3機種『アイコス3』『アイコス3マルチ』『アイコス2.4Plus』を比較使用してそれぞれの特徴を比較してみたい。
ヘビースモーカーに人気の喫味最強加熱式たばこデバイス「アイコス」がバージョンアップ!
紙巻きたばこユーザーにとっては、喉に対するキック感(スロートキック)をしっかり感じられ、たばこ感が最強と言われる「アイコス」。登場後、弱点を補強したタイプの「アイコス2.4Plus」という機種が出ているが、フルモデルチェンジは今回が初めてだ。
実際問題として、グロー、プルーム・テックで吸った感が軽いと感じる人には、他に選択肢がない状態(もちろんヴェポライザーという選択肢もあるが、少しマニアックなので)だ。ところがアイコスがバージョンアップ、『アイコス3』『アイコス3マルチ』と2機種が追加になった上、『アイコス2.4Plus』も併売されるというから悩ましい。
丈夫になった『アイコス3』か、連続吸い可能な『アイコス3マルチ』か、現状維持の『アイコス2.4Plus』か…
結論を先に書くと、味に明らかな差はない。というのも内部の加熱ブレード構造は2.4Plusの時点でほぼ完成しており、味わいの面で大きな差が出ることはないからだ。問題となるのは形態による使い勝手の違い。では順に比べていきたい。
質実剛健に進化した『アイコス3』
ほんのわずか3g重くなり、スリムになったけれど背は高いという微妙な進化を遂げた『アイコス3』。『アイコス2.4Plus』を順当に進化させた形のパワーアップ版だ。一見そんなに変わらない見た目だが、フタの開き方が大改革。横からホルダーをスライドさせて出し入れする仕組み。
これが画期的なのは、今まで落下の衝撃などで爪が折れたりヒンジ(開閉接合部)が損傷したりしてフタが閉まらなくなり、ホルダーを充電することができなくなるというあるある故障を激減させるから。
ヒンジ部分をカバーの中に収納することで、落下の衝撃をもろに受けなくなり、壊れにくくなったというわけ。あと単純にホルダーを硬い路面に落として損傷というのを防ぐために、ホルダーはマグネットで装着する形になった。これで逆さにしてもホルダーは飛び出さない。
ホルダーの充電時間は約40秒短縮され、次を吸いたい人の待ち時間が3分を切った。ちょっとおしゃべりしてればすぐに使用可能な感覚。また喫煙時間終了30秒前に震えていたブルブルが、吸える状態になった時にもブルブルするようになった。これは結構便利。
味も使用感も2.4Plusユーザーなら、ごく自然にスイッチできるところが利点。すでにアイコスユーザーとして長く使用していて、使用法やルックスなどを変えたくないコンサバティブな気持ちがあるなら、この『アイコス3』がおすすめだ。普段から取り扱いが乱暴な人にもいい。おそらく魅力としてはあまり喫煙者にアピールできるとも思いにくいのだが、チャージャーのカバー交換、ホルダーキャップの交換ができるというファッション的メリットもあり。
あと注意すべきは、今回の3から充電端子がUSB Type-Cに変更されたところ。周辺機器を買い揃えている人は、注意が必要だ(USB Type-C-Micro USB変換プラグが使用できればそれでも可)。
10本連続使用可能で最軽量『アイコス3マルチ』
記者がスイスのアイコス工場&研究所に潜入した時に見せられてびっくりしたのが、卵よりも軽い『アイコス3マルチ』。でかいチューインガムのようなルックスで50gにはびっくりした。しかも連続10本使用可能という、チェーンスモーカーのアイコス・ユーザー待望の機能。チャージャーと一体型というのも実にスマート。
まさにアイコスの進化型。最初にヒートスティックを差し込む時には勝手が違って戸惑ったが、2、3回で慣れる。何よりスーツの胸ポケットにヒートスティックとともにしまえる気軽さがたまらない。
ただ1日当たり10本以上吸う人は、オフィスなどの出先に充電環境が必要。もしくはモバイルバッテリーを持ち歩く必要がある。ただ『アイコス3』との価格差とあまり変わらない価格で購入できると思うので、決定的な欠点とは言えないかも。
味はわずかだがフレーバーが出やすい気がした。それはホルダーのキャップを外してみるとわかるが、空気穴があいていないせいだろうか。
充電はこれもUSB Type-C。ノートパソコンで充電していてもたばこっぽくないので、目立ちにくい。
現状維持の『アイコス2.4Plus』
価格が安いというメリットの他にも、ホルダー充電時間が今のままでも満足しているのなら、壊れるまでは現状維持というのがコスパ的には良いと思う。チェーンスモーカーには向かないが、完成度の高さを改めて感じてしまった。
実際『アイコス3』との喫味の違いはほぼ測定誤差レベル。湿度や環境で帳消しになるくらいの差しか感じられなかった。内蔵加熱ブレードが2.4Plusと同じなので、当たり前なのだが。ただ空気孔が縦長で大きい分、柔らかい味わい。
すでに持っている2.4Plusが壊れかけているのでもない限り、『アイコス3』に積極的に買い替えする必要性は感じられない。2.4からユーザーの声を聞いて、必要最低限ながら強化した2.4Plusだけに使用感もすでに完成度は高い。
あと単純に使い込んだ2.4Plusではなく、新品の2.4Plusを使用すると俄然美味しく感じるので、機種としての差異は思うより少ないと思う。
まとめ:壊れかけていない限り『アイコス3』に買い換える必要はないが、最先端感覚を味わいたくてチェーンスモーク必須の人なら「アイコス3マルチ」!
実際に使い比べてみると、アイコスは2.4Plusでかなりの完成度を極めていたのだなと実感させられた。着せ替えがしたくてたまらないなどの理由以外では、そんなに使用感は変わらない。新品の2.4Plusと3を比較して、約40秒短くなったホルダーの充電時間だが、使用方法(長めに吸い込むのかなど)によってホルダー自体の電池残量も変わってくるので、その差は30秒あるかないかとなることも多い。
「早ッ」となるほどでもないので、そこだけを考えるなら、いっそのこと「アイコス3マルチ」にして矢継ぎ早のチェーンスモーキングを実践した方が良い気がする。記者は個人的に「アイコス3マルチ」が気に入った。VAPEやヴェポライザーも併用しているので、今まで何となくもっさりした印象をアイコスに持っていたが、これはかなりスッキリ。ヴェポライザーとして考えても持っていて熱くならないところは夏場など利点かもしれない。
おまけ:アイコス専用ヒートスティックに30円安い廉価版『HEETS』登場!
相次ぐ値上げに悲鳴を上げているのはアイコスユーザーも同じ。ところが現在北海道、中国、四国、九州地方でヒートスティックの廉価版『HEETS』(税込470円)がテスト販売されているのをご存知だろうか。実はアイコスのヒートスティックというのは世界共通ではなく、各国に適したブランドで販売されている。
日本では「マールボロ」ブランドだが、他国では「パーラメント」ブランドとして展開している国もあり、紙巻きたばこにはない独自ブランドとして『HEETS』の名称でヨーロッパなどでは販売されている。記者がスイスで入手した『HEETS』は、「HEETS from Marlboro」と書いたあったので中身は日本のヒートスティックと同じかと思ったが、味が違った。またヨーロッパ諸国ではメンソールの規制が厳しいので、日本並みの爆発的清涼感は味わえない。
そんな『HEETS』ブランドが日本でも登場。しかも30円安い廉価版として。これはもしやと吸ってみたら、また味が違う。ヨーロッパ版の『HEETS』とは別物のようだ。ちなみに今回日本版『HEETS』も味わってみたが、全体的に吸いやすい印象。味のインプレッションは以下の通り。
コクうまレギュラー「ヒーツ・ディープ・ブロンズ」……わずかにフルーツフレーバーを隠し味に入れているとしか思えない甘みが爽やかに残る。特有のアイコス臭が抑えられているので非常に吸いやすい。
まろやかレギュラー「ヒーツ・バランスド・イエロー」……レギュラーのたばこ感がしっかりと来つつ、シトラス系の隠し味で臭気を抑えたクリアな味わい。クセのなさと洋モク感がかなり気に入った。
軽やかレギュラー「ヒーツ・クリア・シルバー」……多分メンソールを隠し味にしてアイコス臭を中和していると思われるレギュラー。クリーンかつシャープなこの味わいは、たばこ葉の素敵な香りを殺していないので、たばこファンにこそ吸ってもらいたい味わい。
さわやかメンソール「ヒーツ・フレッシュ・エメラルド」……昭和の時代のメンソールたばこという趣きの唯一の控えめメンソールたばこ。この喉奥に来る辛さはペパーミント。2.4Plusと3で吸うと清涼感ばかりが目立つが、「アイコス3マルチ」で吸うと、甘みのあるミント感に変化した。
この廉価版『HEETS』に関しては、「アイコス3マルチ」に最適化している印象。どのフレーバーも味わいを濃く感じることができたから。なるほど、最新のアイコス体験は「アイコス3マルチ」+『HEETS』で完成するのかもしれない。
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photo by 清水葉子