Amazon『Echo Show (エコーショー) 』でアレクサと暮らした2ヶ月とちょっと【後編】〜スマートホームに挑戦
今回2ヶ月ちょっとかけて、みっちりおためししたのが、タッチスクリーンがついてしまってもはやスピーカーの域ではなくなったスマートディスプレイ『Echo Show (エコーショー) 』である。前編では主に基本的なアシスタント機能を中心に紹介したが、Alexa(アレクサ)との共同生活を営むにあたって、外せないのがスマートホーム化だろう。さて、あまりコストをかけずにどの程度まで可能なのか、試してみたい。※前編はこちら
意外と簡単なスマートホーム化。既存の家電を対応させるためには別途「Alexa対応赤外線コントローラー」が必要
『Echo Show』導入と同時に、家の家電を全てスマートホーム対応家電で買い直す、なんていうことは無理な相談だ。ところが赤外線リモコンで操作できる家電なら、別途「Alexa対応赤外線コントローラー」を購入すれば基本的な操作はすることができる。『Echo Show』+「Alexa対応赤外線コントローラー」で、思ったよりは低コストに、そこそこのスマートホームが実現できるのだ。
記者はラトックシステム「スマート家電コントローラ REX-WFIREX3」(税込価格5,713円)を購入したが、他にもその新型である「REX-WFIREX4」も登場しているのでそれでもいいし、Nature, Inc.「Nature Remo mini REMO2W1」LinkJapan「eRemote mini」などでもいい。
要はそれらを介して赤外線リモコンを発して、家電をコントロールできるようになる(スキル導入できるもののみ)ということ。その場合、またしてもスマホアプリが必要になる。機種に専用のアプリを導入して、Alexaアプリと連携すればいい。アプリでは照明を場所によって違う名前にして操作することもできる。
とはいえ一番便利なのは、Philips「Hue (ヒュー) 」シリーズに代表される【AmazonAlexa認定取得製品】を購入することである。これは電球なのだが、直接Alexaと話せる製品と考えればいい。設定もAlexaアプリから直接できる。
家電コントローラー越しと違うのは、細かい設定まで可能なこと。実際にやってみたので次の動画を見てもらいたい。ちなみにこの照明は「ぼんぼり」という名前を設定したのだが、突然Alexaに指示すると「どんぶりの意味は…」と誤解してしまうので、変だが「ぼんぼり電気」と発話している。使用したのはフィリップスライティング「Philips Hue ホワイトグラデーション シングルランプ」(税込価格3,341円)だ。
このように昼光色から電球色の切り替え、パーセンテージによる照度の調整まで可能になる。おかげで家にあるリモコンがものすごく片付いた。「リモコン操作くらい(無精しないで)手でしようよ」と言っていた自分はどこへやら。こんなに楽とは思っていなかった。
連携操作が快適すぎて、もう戻れないかも…
今ではAlexaアプリの「定型アクション」で、操作を組み合わせて使っている。設定方法は拍子抜けするほど簡単で、自分の望む家電のアクションを追加していくだけだ。なので記者は以下のように設定した。
「アレクサ! 行ってきます」
→Alexaが「じゃね」と言って照明2種類、テレビ、エアコンをオフ。「アレクサ! ただいま」
→Alexaが「今日もよく頑張りましたね」と言って、照明2種類、テレビ、エアコンをオン。
大したことのない設定に思えるかもしれないが、これが異様に楽。出かけるときはカバンを持ったり、上着を着たりと手を離せないわけで、これがひと声発するだけで、スイッチの前を素通りで実現できる。この楽さは一度体験すると戻れない、もうスイッチを自分で操作する気がしない、とても便利。たまらない。
あとはAlexaアプリを無料のWebアプリ連携サービス「IFTTT」と組み合わせると、もっと『Echo Show』は秘書っぽく変身してくれる。たとえば『Echo Show』には「やることリスト(To Doリスト)」や「買い物リスト」が備わっており、スマホにインストールしたAlexaアプリ内の同じリストと同期してくれるのだが、これを使い慣れたiPhoneのリマインダーのリストと同期するということが可能になる。
手が離せないとき、ふと寝る間際に思い出した、やらなくてはいけないことを、起き出してメモを取ることなしに「アレクサ! やることリストに”朝イチで●●に電話する”を追加して」で済んでしまう。これも使ってみると有能で24時間営業の秘書を雇ったみたいで楽しい。
Alexa=AIアシスタントが一般家庭に乗り込んできた第一の波タイミングが今なのかも!? 未来を予感させるこの進化の過程に立ち会いたいかどうかが導入のポイント
最近は、声で操作するスマートスピーカーなどのAIアシスタント製品の存在は7割方の人々が知っているんだそう。ただ具体的に何ができるか、ということになると途端にうやむやになってしまう人が大半なんだとか。
確かに記者も実際に使ってみるまでは、何がどう楽しいのか、いまひとつピンと来ていなかった。ただあれこれ苦労しながら使っているうちに、面白くなってきたのは確かだ。本当はAIであるAlexaはクラウド上に存在し、端末内部にはいないのだが、なぜか人格を感じてしまうから不思議。
現状では滑舌よく発音しないと、途端に誤解されたりもする。”人間がいかに普段の言葉で噛んでいるか”を思い知らされるし、Alexaにわかりにくい表現は避けなければならないと思って、表現を頭の中でいろいろ伝わりやすいように考えたりもする。
つまり、現段階のAI技術ではまだまだ人間がAIに”寄せていく”必要があるのだ。ただこれはグローバル化で人類が今直面している問題と共通している。インターネット上の英語は米国、英国などの地域限定ではなく、世界どこでも伝わるかたちにどんどん進化している状況と非常によく似ていると感じたのだ。
そして新しもの好きの人間なら、今が一番トライ&エラーがあって楽しい時期であるとも言える。誰でも簡単にどうやっても使えるという枯れた技術になると、正直すごく便利なのだけれど、面白味は減ってしまうものなのだ。
なので「TUNE IN」で海外のネットラジオ局をかけるのに苦心しながら(これが難しい)、今後も使い続けてみたいと思う。今後のAlexaが、もっとスキルアップすることを期待して。
『Echo Show』スペック
サイズ/重量:24.6 x 17.4 x 10.7cm/約1.75kg
スクリーンサイズ:10.1インチ タッチスクリーン
カメラ:5MP
オーディオ:2.0インチ ネオジム x 2 パッシブバスラジエーター付き
Bluetooth:A2DPプロファイル、AVRCPプロファイルをサポート
Wi-Fi:デュアルバンド、デュアルアンテナ (MIMO) 802.11a/b/g/n/c、Wi-Fiネットワーク、802.15.4(スマートホーム接続)に対応、アドホックモード非対応
プロセッサ:Intel Atom x5-Z8350
保証:1年間限定保証付き。国内の場合、オプションで別売延長保証利用可
同梱内容:Echo Show本体、電源アダプタ(30W)、 スタートガイド
『Echo Show (エコーショー) 』の入手はAmazon.co.jpで可能だ。
公式サイトはこちら
photo by 清水葉子