舌一面に電流を走らせるビリビリ系激辛激シビレ味 『カップヌードル 花椒シビうま激辛麻辣味 ビッグ』は美味しく辛いの限界地点か
最近の激辛ブームは、唐辛子でもコショーでもなく、主役は花椒(ホアジャオ)だ。ヒーヒーの辛さだけでは飽き足らず、花椒特有のビリビリと舌が痺れるタイプの辛さが追加された、いわゆる麻辣(マーラー)な辛さが人気である。そして登場した『カップヌードル 花椒シビうま激辛麻辣味 ビッグ』。果たしてどの程度のものなのか。
美味しく食べられる範囲のギリギリのコーナーを突く絶妙な辛さ設定がさすが!
花椒(ホアジャオ)は別名カホクザンショウと呼ばれる中国の山椒。日本の山椒も新鮮な時はけっこう辛いが、この花椒は辛さで定評のある四川料理、とくに麻婆豆腐の辛味などに使われるものなので、その辛さのレベルが違う。
そしてまた唐辛子系やコショー系の辛さとも違うのが、ビリビリと痺れていくタイプの辛さだということ。食べるときに口の周りについてしまうと、唇が3倍くらいに腫れ上がった気がするし、その麻痺していく感覚は、どこか歯医者の麻酔にも近い。それが麻辣的辛さ。
日清食品『カップヌードル 花椒シビうま激辛麻辣味 ビッグ』(102gうち麺80g・希望小売価格 税抜205円・2019年3月11日発売)は、そうした麻辣な辛さを特徴とした、痺れさすタイプの激辛麺である。では食べてみよう。
すでにフタをめくると、遠くで咳き込みたくなる花椒特有の辛い香りがしてくる。フタに別添で「花椒シビうまビリビリオイル」が付いているのだが、それなしでもけっこうな赤みのある焦げ茶色の地獄カラーである。跳ね返って湯が目に入らないように警戒しながら湯入れ。
待ち時間は3分で、麺はいつものつるみのあるカップヌードルの油揚げ麺。かやくには味付豚ミンチ、キャベツ、味付卵、ねぎが入って、赤黒い系の麺メニューを作り出す。
3分経過でフタをめくってよく混ぜると、十分辛そうな香り。スープを飲んでみると、ほほう、けっこうホットじゃないか。しかもすでにビリっと来ているじゃないか。もちろん旨味の洪水でもあるので、しっかり美味しい。ここにわざわざ「花椒シビうまビリビリオイル」を入れて食べにくくするのは、けっこうな決断。
でもこれを入れなきゃ本当の狙いはわからない。思い切って全量を麺の上にぶちまける。さあ、これで食べると……、おお、舌全面が感電しているような花椒特有のビリビリ痺れ感が広がっていく。通常の唐辛子ラー油の辛さも相まっているので、あっという間に汗が出る。強制リフレッシュとでもいうべき、頭の芯まで再起動されるような強烈刺激。眠くてしょうがない人もバキッと背筋が伸びそうな辛さが走る。
ただそこはさすがカップヌードルシリーズ、きちんと美味しい範囲内での辛さの限界というポイントに着地する。これ以上いくと、味蕾がすべて麻痺して何も感じなくなってしまう、その一歩手前の激辛である。これはかなりの職人技ではないだろうか。
記者も美味しい辛いものは好きだけれど、味がわかんなくなるほど辛いものは意味がないと思う派だ。その点では安心して美味しい辛さのここが限界ではないかと感じた。謎肉も豊富に入っており、量は多いが、けっこうサクッと食べてしまう完成度の高い一品。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。
公式サイトはこちらphoto by 尹 哲郎