これは欲しい!ペン先をクリーニングし、インクボトルのインクを最後の一滴まで使用可能にする『万年筆メンテナンスキット』!

 

好きなものに「手を掛ける」時間。それは愛好家にとって楽しく充実した時間である。万年筆好きにとっても同様、万年筆はただの筆記用具ではない。ときには洗ったり、拭いたり・・。そういう「手を掛ける」時間もまた、筆記する時間と同じくらい楽しいもの。そんな方々、特にセーラー万年筆の愛用者には、ぜひ所持したいセットがセーラー万年筆株式会社(東京・墨田区)から発売された。それが今回ご紹介する『万年筆メンテナンスキット』である。

 

簡単だが2通りに使えるセット!

この『万年筆メンテナンスキット』(税込1,080円・発売中)の、セット内容はとてもシンプル。注射器のような「洗浄機(本体)」と筒状の「洗浄ノズル」、注射針のような「インク吸入ノズル」、それに「クリーニングクロス」の」4つである。

そしてこのセットでやれることは2つ。1つは、万年筆のペン先をきれいに洗うこと。そしてもう1つは、少なくなったインクボトルを最後の一滴まで吸入しコンバーターに入れること

 

さっそくペン先のクリーニングから実践してみよう。

 

1,ペン先クリーニング編

汚れたペン先を洗う、あるいは使用するインクの色を変えたいとき、万年筆のペン先を洗浄する機会は少なからずあるもの。ペン先のお手入れは、水洗いが基本なのだが、ペン先に水を通す作業がなかなか大変なのだ…

だが、『万年筆メンテナンスキット』を使えば、簡単にペン先のクリーニングが出来るという。

まずは、同軸と大先を緩めて外す。

外した大先を水に浸して一晩放置。

ここでついに、『万年筆メンテナンスキット』が登場。洗浄器に洗浄ノズルと大先を取り付ける。

あとは、ペン先を水に浸しゆっくりとピストンを上下させるだけ。上手に使うコツは、洗浄機のピストンをあまり強く操作しないこと。ゆっくりと上下に動かすことで、ペン先にも無駄な圧力がかからず、ペン先クリーニングができる。

インクの色が出なくなったら、洗浄器を外して柔らかい布で水気を拭き取り、同軸とフタをもとに戻せばクリーニング完了!

仕上げに、付属のクリーニングクロスで拭いて出来上がり。ペン先が新品のように輝く様は、万年筆愛好家にとっては何ともいえない至福のときでもある。

 

実際に使ってみると、セーラー万年筆専用のキットだけに、洗浄ノズルがしっかりと万年筆に装着できて、とても効率良く水の吸入と排出ができ、あっという間にペン先が洗浄ができた。セット自体は、小学生のころに大好きだった「昆虫の標本セット」を思い出させるような雰囲気があり、注射器のピストンの抵抗を感じるだけでも、どことなく楽しい作業である。

メーカー制作の動画もあるのであわせてチェックするとより分かりやすい。

 

2,少なくなったボトルインクの吸入編

次は、もう1つの機能「少なくなったボトルインクの吸入」編である。

記者もコンバーターでボトルインクを使用しているが、インクが少なくなると、万年筆にインクを吸入できなくなるのが何とももどかしかった。しかしこの『万年筆メンテナンスキット』があれば、その悩みとはもうおさらばである。

今度は洗浄機本体に、注射針のような「インク吸入ノズル」をセットする。もうこうなると、ほとんど注射器のようだ。

あとはボトルからインクを吸入するだけ。インクが少なくなると、ペン先を使っての吸入はほとんど不可能になる。それが、このインク吸入ノズルでなら、いとも簡単に可能になるのだ。

最後は吸入したインクを、コンバーターに注入するだけ。ペン先など、無駄にインクで汚すこともないので、これからはいつもこの方法でコンバーターにインクを入れようかと記者は思っている。

こちらも動画があるので合わせてチェックしてみて欲しい。

この『万年筆メンテナンスキット』は、セーラー万年筆専用のキットである。少なくとも、ペン先のクリーニングに関しては、ペン先の首部の径が合わないと、水の吸入、排出ができないので、これは致し方ない。

セーラー万年筆取扱文具店にて発売中。万年筆好きであれば、1つは持っていたいもの。持っていても、絶対に損はないものである。

公式サイトはこちら

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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