人によってはキラーメニューの紅ショウガの天ぷら! 『ニュータッチ 名代富士そば 紅生姜天そば』がおいしすぎた

このおいしさ、形容しがたい!

 

今日は海老天にしようかな、イカ天も春菊天もいいなとふらりと入った立ち食いそば店で、あると全てを投げうって注文してしまう記者にとってのキラーメニューが”紅生姜天そば”。まさかカップ麺で楽しめる日が来ようとは! 『ニュータッチ 名代富士そば 紅生姜天そば』にはもう期待しかない。

 

夢じゃない! 西の人間でなくても隠れファンが数多いと推測される紅ショウガのかき揚げをカップ麺で味わえるなんて…

立ち食いそばといえば駅ホームなどに存在して、短い待ち時間にかきこむためにつゆはぬるめ、茹で麺使用で独特のブヨブヨ感(それもまた良しではあるが)が必須項目だった時代、1987年に生そばを使用するという大胆な施策に打って出た、味で勝負系チェーンの昭和41年創業の古株が富士そばである。

ダジャレかよ!

駅から離れたところにも存在し、コンビニ的な24時間営業スタイルをいち早く取り入れる現代的先取り感と、創業者の好みでBGMが演歌中心、しかも演歌歌手のポスターが貼ってあり、その作詞者が丹まさとであり、その名前は富士そば社長の丹道夫のペンネームという明るいけどカオスな雰囲気が特徴だ。

食べちゃいけない色とか思わないこと

その富士そばで食べられるのが記者にとってのキラーメニュー・紅生姜天そば。通常紅ショウガの天ぷらというと関西方面の偏愛メニューとされることが多いが、記者は東の人間だけれど大好きである。ただそれをメニューにしていた近所の立ち食いそば店が閉店して、なかなか気軽に食べられる機会が減って寂しい思いをしていた。

金星の表面ってこんな感じかな

そんな心の隙間を埋めるべく登場してくれたのが、ヤマダイ株式会社(茨城県結城郡)『ニュータッチ 名代(なだい)富士そば 紅生姜天そば』(132gうち麺60g・希望小売価格 税抜240円・2019年11月18日数量限定発売)。くだんの人気メニューを見事にカップ麺として再現してくれたものである。

はやる気持ちを抑えつつ、制作に入ろう。使用しているのはノンフライ麺というところがこだわりを感じる。そばにはきちんとそばならではの黒い粒々が散見されて、期待が高まる。まずはかやく(ネギ)のみを入れて、湯入れ。

つゆも後入れなので、フタの上にのせる。

ウェイティングスタイルはこのようになる。所要時間は5分だ

 

フタをめくってもいきなりつゆや紅生姜天を入れてはいけない。なぜならノンフライ麺だから。まず油感のあるものを入れてしまうと麺がほぐれにくくなるからだ。なのでさっそうとそばをほぐしてからおもむろにつゆを入れよう。

そして再びかき混ぜたら、いよいよ紅生姜天を投入する。指示書きにつゆに沈めろと書いてあるのでその通りに。ただやりすぎると食感がふにゃふにゃになるので注意だ。

この紅生姜を天ぷらにするというアイデアを最初に実践した人にはスタンディングオベーションを送りたい

 

それで完成。何よりも紅生姜入りのかき揚げ天ぷらレッドが美しい。知らない人には毒々しく映るかもしれないが、好きな人にとってはたまらない。とりあえず最初はさくさく感のある紅生姜天にかぶりついてみた。

 

 

独特の染物感のある風味、生姜の香りに小海老の香ばしさと衣の香ばしさが絡むと魔法の時間が訪れる。正直初めて食べた時は、なぜこれがおいしいのか、首をひねりっぱなしだった。でもしょっぱさと油感と風味が奏でるハーモニーは唯一無二のもの。謎でも美味しければいいではないか。

 

 

添え物というか、漬物、薬味という立場でありながら天ぷらの具材として主役に躍り出るこの下克上ぶりがたまらない。ただ牛丼店で紅生姜なしに食べられない、いやむしろ自分は紅生姜を食べるために牛丼を食べているのではないかと食のゲシュタルト崩壊をしている人には気持ちがわかりやすいかも。

次にたっぷりそば汁に浸して食べると、濃口醤油を使用しただしの味がじわっとしみていてさらに美味しかった。カツオと昆布出汁の風味いい香りと甘めの濃口醤油スープに、ワカメとノンフライそばが絡み、喉ごしよくするするといただける。

 

 

ノンフライのそばはかなりおいしい。しっかりコシがあって縮れすぎていないところがいい。手打ち感のあるちょうどいいうねり具合。実店舗にかなり迫る勢いではある。

 

糖質66gはやっぱりヘヴィーだけど

そして天ぷらでありながらくどく感じられないのは紅生姜の効用。薬味的な味わいも同時に出してくるからすごい。味を引き締めるアクセントとしても機能するから、主役と脇役を同時に二役こなしているようなものだ。もはやリスペクトしかない。ただ針生姜的なフォルムは保って欲しかったかも…。

 

 

入手は首都圏のコンビニエンスストアやスーパー、ヤマダイ通販サイトなどで可能だ。

公式サイトはこちら

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 清水 葉子

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