【使用レポート】Fire TVとEchoが合体、大画面テレビで「アレクサ!」可能なAmazon『Fire TV Cube(キューブ)』が画期的!
すでにAmazonプライム会員として月額500円ほど支払っているのなら、使わないのがもったいない、追加料金無しでも豊富なコンテンツを楽しめるFire TV。そしてテレビや照明、エアコン操作などを「アレクサ!」と呼びかけ、声で操作できるのが、Amazonのスマートスピーカー/ディスプレイシリーズの「Echo」。その2つの魅力を詰め込んだ立方体が『Fire TV Cube(ファイアー・ティーヴィー・キューブ)』である。しっかり使い込んだ、その結果をレポートしたい。
ブラックフェイスのシンプル極まる立方体、『Fire TV Cube』とは何なのか?
今までもFire TVシリーズは数々紹介してきた。一番ポピュラーなのが、「Fire TV Stick」及び「Fire TV Stick 4K」で、本体をそのままテレビのHDMI端子に接続して使う手軽なタイプだ。
Fire TV Stickシリーズは、こうした最先端機能の機器としては驚くほどに簡単なセットアップで、たちまち家のテレビが豊富なコンテンツボックスに変身することで人気だ。Prime Videoには数万タイトルの映画やドラマが楽しめるようになっており(一部有料)、YouTubeも大画面で家族で楽しむということも可能になる。
インターネットTVの「AbemaTV」や民放運営の「TVer」もアプリで視聴可能だし、それぞれ契約すればHulu、Netflix、DAZNなどのサービスもシームレスに使用可能だ。そして最近では専用リモコンのマイクボタンを押すことで声による操作も可能になっている。
一方、スマートスピーカー/ディスプレイの「Echo」シリーズは、「アレクサ!」と呼びかけることで、リモコンを操作することなく、テレビや家の照明、エアコンなどを操作できるスマートホーム機能を実現できるデバイスだ。天気を聞けば教えてくれるし、スマホなどと連携することで宅配便が届くことも教えてくれる。
今回紹介するAmazon『Fire TV Cube』(販売価格 税込14,980円・2019年11月発売)はそうしたFire TVに、ハンズフリー操作のスマートスピーカー「Echo」の機能を合体させ、自宅の大画面テレビ(小さくても可)をディスプレイとして利用できる、小さな巨人的サイコロ型デバイスである。
『Fire TV Cube』のセットアップはいとも簡単。質問に答えていくだけ。
Fire TVシリーズに共通するのは、セットアップの容易さだ。たとえコンピューターが苦手な人でも、テレビのHDMI端子に接続し、『Fire TV Cube』の電源を繋げば、スイッチもなく起動する。
あとは聞かれる質問に答えながら操作していくだけである(ただFire TV stickは本体を直挿しだったが、Cubeでは別途HDMIケーブルが必要になるのに注意)。
今回はテレビやオーディオアンプ、サウンドバーの設定も手順の中で行える(有名メーカーの機種ならほぼ対応している模様)。ただ今のところテレビはオンオフは可能でも、チャンネル操作は今のところ不可のようだが、そのうち対応する可能性はあるので今後に期待。以前ダメだったことがいつの間にか進化して対応していることがよくあるからだ(YouTubeアプリやApple Musicなど)。
サクサク言うことを聞いてくれる高性能モデル
セットアップが終わるとFire TVユーザーおなじみのトップ画面に。このまま付属のリモコンを使うと従来通りに使える。でも意味がないので、ハンズフリーで使いたい。とは言っても難しく考える必要はない。
「アレクサ! コメディ映画が見たい!」といえばプライムビデオからピックアップして見せてくれるので、そこから選べばいい。
選択するときも番号が振られているので「アレクサ! 1番を見せて」で見ることができる。普段からウォッチリストを作成している人なら「ウォッチリストを見せて」と表示させるのが一番使いでがあると思う。
「アレクサ! ボリュームを上げて(下げて)」「アレクサ! 1分早送りして」「アレクサ!30秒巻き戻して」と操作関係はほぼ問題なくこなせる。
慣れないうちは、ついつい手がリモコンを探してしまう無駄な動作をしてしまうけれど。
賢いなあと思ったのは、話しかけるとスッと音量が下がること。Echoは大音量で音楽を聴いていたりすると、やはり聞き取りが難しい場合もあったが、自分で聞き耳を立てるように音量を下げるのは素晴らしい。やるじゃん、アレクサ。
もちろんプライムビデオ以外にも、Hulu、dTV、U-NEXT、ネットフリックス、ニコニコ動画、FOD、TVer、GYAO、DAZN、Paraviなどほぼ全ての配信サービスも網羅(別途契約が必要な場合あり)。個人的にはabemaTVを地上波感覚で見られるのが楽しいと思う。
事前にYouTubeアプリを追加しておけば、「アレクサ! YouTubeが見たい」といえば見せてくれるし、「アレクサ! 明日の天気は?」といえば自宅テレビの大画面で見せてくれる。
大画面に自動的に「荷物は本日配達される予定です」と表示されたりするので、うかつに出かけたりしなくて済むのもディスプレイ機能の便利さを実感する瞬間だ。あと電話がかかってきたときに「アレクサ! ミュートして」で音を消せるのがとても便利。
ここまでは基本的にFire TV機能の操作だが、とにかくサクサクの動作が気持ちいい。やはりプロセッサが従来のクアッドコアからヘキサコアになり、メモリストレージが8GBから16GBに倍増したのが大きいのだろうか。とにかく動きが機敏。これはかなりストレスフリーな性能である。
『Fire TV Cube』のEcho端末としての使い勝手はどうか?
そしてハンズフリーのFire TVデバイスであると同時に、Alexa搭載Echo端末として使えるのが『Fire TV Cube』の魅力でもあるので、次はその機能を確認していきたい。ちなみに使い方として、テレビに付属させるイメージがあるが、テレビを消していても普通に音声だけのEcho機能はあるので安心して欲しい。
Echoといえばやはりスマートホーム。そう、テレビやエアコン、照明を声でオンオフしたり、調整したりするハンズフリーの機能だ。そんなことを声でしなくても…、と思う人もいるかもしれないが、この便利さは慣れるとクセになり、リモコンを探すのが猛烈に面倒臭くなる。
まずスマートホーム構築のためには、スマートフォンにAlexaアプリを導入するのが基本だ。そこに対応する家電の「スキル」を導入することで、さまざまな操作が可能になる。Alexa対応家電なら細かい操作まで可能だ。
ここでもまた「対応家電に買いかえるなんて!」と言われがちだが、実は赤外線リモコンで動いているものなら、別途、スマート家電コントローラやIoTリモコンなどと呼ばれるデバイス(ラトックシステム「RS-WFIREX」やLinkJapan「eRemote mini」など)を入手することでそれらも操作可能になる。
家電のほとんどは赤外線リモコンなので、扇風機やシーリングライトなども対応していれば操作が可能になるので、追加予算をそれら5〜6,000円程度の投資でスマート家電化できるのでおすすめだ。
Alexaアプリで「定型アクション」を作成すると部屋のスマートホーム化が本格化する!
実はスマートホーム化というのは、照明単体でオン・オフしたり、エアコンを消すという操作を声でするというものだけならば、さほどのことではない(充分便利だけれど)。次から次へと声で指示するのも面倒といえば面倒である。
ところがAlexaアプリで「定型アクション」を作成すると、話は変わる。これはいわゆる動作の連続を指示するマクロ機能である。
「アレクサ! おはよう」と声をかけたら、部屋中の照明を真っ白な昼光色にして明るさをMAXにし、テレビをつけて、エアコンをオン、「おはようございます。起きて、起きて!」とAlexaに言わせるという一連のアクションを行うことができるのだ。
家を出る段になったら「アレクサ! 行ってきます!」といえば照明はすべてオフになり、エアコンやテレビやオーディオもオフにして「行ってらっしゃい、iPhone持った? サイフ持った?」と言わせることも可能だ。
これらは実際に記者が使用している定型アクションで、とても便利だ。もはや自分が出かける時に何をしていたかを忘れてしまったくらいである。
コンテンツ視聴から家中の家電操作までハンズフリーの快感が味わえる、それが『Fire TV Cube』
新しもの好きでまだスマートスピーカーを活用していない人なら一刻も早く手に入れたいのが『Fire TV Cube』である。家に大画面テレビがあるのなら、その可能性を大きく広げることができるのでおすすめだ。
スマートホーム初心者にもテレビ中心に操作するというこの形態は、むしろわかりやすいのではないだろうか。
入手はAmazon.co.jpで可能だ。
【スペック】
対応映像:4K Ultra HD、HDR、HDR10、Dolby Vision、HLG、HDR10+
スピーカー内蔵
プロセッサ:ヘキサコア
ストレージ:16GB
オーディオ:Dolby Atmos
通信/Wi-Fi:デュアルバンド、デュアルアンテナ802.11ac対応、イーサネットアダプタ付属
公式サイトはこちら
photo by 清水葉子/Official images