濃縮・希釈缶飲料特集(2) サントリー『伊右衛門 炙り茶葉仕立て』 『烏龍茶』 『DAKARAミネラル』 『 GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶』【ペットボトル版と味比較】

重たいペットボトルの持ち運びやスペース問題を解消してくれる濃縮タイプ

 

2020年の新たな飲料の在り方、水と混ぜて作る濃縮タイプ飲料が注目されている。前回の伊藤園編に続いて今回は、昨年いち早くこのカテゴリに参入したサントリー食品編だ。家にいる時間が多くなった今、飲み物の準備も大変だったりする。そんな時にも役立つ濃縮/希釈タイプ。その作り方やペットボトル商品と比べての味わいの違いなどをチェックしてみよう。

 

家庭での飲み物の準備の負担を減らしてくれる濃縮タイプ

サントリー食品インターナショナル株式会社は、水と混ぜて作るお茶(濃縮タイプ)を昨年(2019年)発売。それが、『GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ』180g缶である。手持ちの容器に濃縮タイプと水を一緒にいれるだけという利便性は、重たいペットボトルの持ち運びや、お茶を作る時間や手間を解消するだけでなく、防災備蓄のアイテムとしても役立つもの。普段の買い物でペットボトルを買うのは、なかなか億劫。その点、小さな180g缶というサイズは持ち運びも、保管もコンパクトで済む。

そんな濃縮タイプの新商品がこちら。『伊右衛門 炙り茶葉仕立て濃縮タイプ』、『サントリー烏龍茶 濃縮タイプ』、『DAKARAミネラル 濃縮タイプ』の3つの商品が2020年4月7日に新たにラインナップに加わった。

今回は濃縮タイプと同商品のペットボトルを飲み比べ。どのくらいの分量の水で作るといいかなど、味わいをチェックしてみよう。

 

 

手持ちの容器に水と混ぜればすぐに出来るという手軽さ

まずは作り方。濃縮タイプに水を加えるだけで出来上がる。1Lだと「濃いめの」、2Lだと「スッキリ味の」と書いてあるだけで、明確な水の分量(〇〇ml)などの記載はなし。

容器の容量というのは決まっているので、容量が1~2Lのものを用意すればいいだけということ。

今回は容量が1Lのガラス容器で作ってみる。まずは濃縮タイプを入れて。

水を容器がいっぱいになるまで入れるだけ。水の分量を計ったりしなくていいので、これがとにかくラク。

1Lのお茶が完成。空きのペットボトルで作るのもいいが、やはりこういう場合はガラス容器などやプラスチック容器など、きちんと洗浄出来るもので作るのがいいかもしれない。ペットボトルも洗って何度か使えるが、注ぎ口が小さいので中までしっかりと洗えない部分もあり、使い回しには注意。

『伊右衛門 炙り茶葉仕立て濃縮タイプ』とペットボトルを飲み比べ

『伊右衛門 炙り茶葉仕立て濃縮タイプ』(185g缶・希望小売価格 税抜125円・2020年4月7日発売)。京都福寿園の茶葉を使った人気の緑茶。

左から、ペットボトル、1L希釈、2L希釈

1番濃い色をしているのが、濃縮タイプを1L分で作ったもの。緑茶の深い渋みが感じられて、後味はスッキリ。「炙り茶葉仕立て」とあるように、濃い緑茶の味わいが楽しめて食事にもぴったりの味わいだ。甘く香ばしい香りもしっかりと感じられる。

 

ペットボトルと飲み比べてみると、味わいが全然違うことに驚く。ペットボトルの方がまろやかなで味わい。緑茶の濃さを感じたい人は濃縮タイプ1Lで作るのがおすすめだ。2Lで作ってみると、渋みがやや抑えられてすっきりさが際立ち、ペットボトルの味わいに近づく。2Lで作っても、味が薄すぎるということはなく、きちんと緑茶の風味を感じられた。

 

『サントリー 烏龍茶 濃縮タイプ』とペットボトルを飲み比べ

『サントリー 烏龍茶 濃縮タイプ』(185g缶・希望小売価格 税抜125円・2020年4月7日発売)。しっかりとしたコクとキレのある味わいの烏龍茶。

左から、ペットボトル、1L希釈、2L希釈

これも、濃縮タイプ1Lで作ったものが1番濃い色をしている。そして、味わいもしっかり濃い。ウーロン茶独特の渋みがかなり強く感じられる。

普段のペットボトルの味わいにやや満足していない人でも、1Lで作った濃さには満足できるかも。こってり濃厚な食事時におすすめだ。2Lで作ると、すっきりとした後味で渋みもやや抑えられる。水を増やしても、決して薄くなるという感じではない。

 

ペットボトルと飲み比べてみると、味わいが近いのは濃縮タイプ2Lで作ったもの。1Lで作ったものは、かなり渋みがあるので子供や高齢者には濃すぎてしまうかも。

 

『DAKARAミネラル 濃縮タイプ』とペットボトルを飲み比べ

『DAKARAミネラル 濃縮タイプ』(195g缶・希望小売価格 税抜125円・2020年4月7日発売)。すっきりとした味わいの、発汗時に最適な熱中症対策設計※の水分補給飲料。※厚生労働省が熱中症対策飲料として推奨している食塩相当量は、0.1g~0.2g/100ml。

左から、ペットボトル、1L希釈、2L希釈

熱中症対策や体調を崩した時などに欠かせない水分補給系飲料。これは、濃縮タイプ1Lで作るとかなり甘くて濃い。むしろ、ちょっと甘すぎるかもしれない。1Lで作ったものを、氷の入ったグラスに注ぎ入れて飲むなどすれば、一気に急冷も出来るので暑い夏にはおすすめの飲み方。

 

濃縮タイプ2Lで作ると、ペットボトルに近い味わいになるので、飲みやすいのは2L。

 

水分補給系飲料は、ペットボトルの他にパウダーなどを溶かして作るものがあったりするが、濃縮缶であればパウダーを溶かす手間もなく簡単に作れる。夏の時期や、体調を崩した時用にこれは常備しておきたい1本。

 

『GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ』とペットボトルを飲み比べ

『GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ』(180g缶・希望小売価格 税抜115円・発売中)。第一弾として昨年より発売されているもの。

左から、ペットボトル、1L希釈、2L希釈

他の3点と違い、これはどれも平均した味わい。1Lで作ったものが見た目には1番濃い色をしているが、味わいがすごく濃いという事はなく、ペットボトルも、1Lで作ったものも、2Lで作ったものも、どれも同じように優しい味わいだった。

 

ペットボトルと飲み比べてみると、濃縮タイプの方が少し甘味とまろやかさが強いかもしれない。「やさしい麦茶」というネーミングの通り、どれもスッと飲めてしまう美味しさ。

どの分量で作っても味わいに大きな変化はない。ミネラルたっぷり、カフェインゼロ、アレルギー特定原材料等27品目不使用なので、子供から高齢者までどの世代にもおすすめ。

 

サントリーの濃縮タイプは2Lで作ってもちょうどいい

サントリー食品の濃縮タイプ新商品の3点は1Lで作ると確かに「濃いめ」であった。ペットボトルと同じような味わいで楽しみたければ2Lで作るのがおすすめ。2Lで作っても、味わいが薄いという感じは全くしない。

 

2L容器で作ると冷蔵庫内の場所に困るという場合でも、1Lで作って冷蔵庫にいれておけば、コップに注いだ時にさらに水を加えれば希釈できるので、生活に合わせて工夫しながらやってみるといいかも。

冷蔵庫での保存をコンパクトに済ませたいなら、まずは1Lで作るのがおすすめだ。

お茶を煮出したり、水出ししたりすることに手間を感じる人にとっても手軽で時短。味わいがいつでも一定というのも良い点。子供の水筒の準備など、たくさん必要な時にすぐに作れて助かる。

ティーバッグなどもたっぷり入っているものがあるが、なかなか使い切れない人も、濃縮タイプであれば1本単位で購入出来るから必要な分だけで済む。また、濃縮タイプのお茶は茶カスが出るわけではないのでポットや容器が洗いやすい。「濃縮タイプ」という飲料の新たなスタイルをこれらの生活の選択肢にぜひ加えてみて。

 

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記者

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蘭 よう子

デザイン/マーケティング専攻。商品開発やレシピ開発に携わる。雑誌やWebメディアでの執筆・連載多数。調理、アートワーク制作から撮影まで、すべてをこなすマルチクリエイター。文具やアートの分野にて講師経験あり。

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