【無煙タバコ】改正健康増進法対象外! 無臭ステルスタバコ『ベロ(VELO)』と『スヌース(SNUS)』はどっちがいい!?
4月からの改正健康増進法施行による原則屋内禁煙で焦っていたら、コロナ禍で喫煙所閉鎖が相次ぎ、まさにスモーカーにとって不遇の状況になってしまった昨今。在宅ワークなら吸い放題という人もいるかもしれないが、家族や同居人に嫌がられ、それも無理という人におすすめしたい一切ニオイのない無煙タバコ『ベロ(VELO)』と『ゼロスタイル・スヌース(SNUS)』を紹介したい。
一切ニオわない無煙タバコなら、周囲に迷惑をかけない、副流煙も一切ない、そもそも気付かれない!
改正健康増進法の対象となっているのは通常の紙巻きタバコと、近年流行しているアイコス、グロー、プルームなどの加熱式タバコである。そしてその施行と同時に注目を浴びているのが無煙タバコと表現されることの多い「かぎたばこ」。
“かぐ(嗅ぐ)”と言われてもピンとこないかもしれないが、粉砕したタバコ葉を鼻で吸ったり、袋に入れて口内で吸収するタイプを指す。鼻タイプはスナッフというがほぼ日本では浸透していない。
今回紹介する無煙タバコ『ベロ(VELO)』と『ゼロスタイル・スヌース(SNUS)』はどちらもかぎたばこに分類されるもので、メーカーが違うだけだ。他にも日本国内で流通している製品はあるが、海外製品では口腔粘膜の弱い日本人には合わない製品も多い。その点国内でおなじみのBATとJTの製品なので、安心感が高い。基本的に米国や北欧では比較的ポピュラーなタバコ製品である。
使い方の基本はどちらも同じ。タバコ葉の入った小袋を歯と頬の間に挟んで、口腔粘膜からニコチンを吸収するものだ。なので当然、煙や蒸気は一切出ない。口の中に入れておくだけなので、ニオイもない。
したがって、ガムと同じようなタイミングでいつでも使用することができる。噛む必要もないので、やろうと思えば電車内や飛行機内、会議中などでもニコチン補給が可能となる。
ではその具体的な使い心地をヘビースモーカーの記者がレポートしていこう。果たして不遇のスモーカーの救世主となるのだろうか。
おしゃれなコスメ的パッケージが新鮮な無煙タバコ『ベロ(VELO)』
発売元は、紙巻きタバコでは「ケント」「ラッキーストライク」を擁し、加熱式タバコでは「グロー」を展開するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)。その無煙たばこが『ベロ(VELO)』(20個入・税込580円・2020年2月発売※店頭販売は福岡市内のファミリーマートおよび一部たばこ取扱店、オンラインストアは全国発売)である。
白を基調にしたブライトなデザインは、女性用コスメ的なセンスの良さを感じさせて、とてもタバコには見えない。徹底しているのは、フタを開けて中をみると、純白の小袋(たばこパウチ)となっていて、さらにタバコ感が薄い。
展開しているのは2系統4種類。それでは順にためしていこう。
『ベロ・ポーラー・ミント・ライト/ミディアム』
まずはライト版『ベロ・ポーラー・ミント・ライト』から。本体はプラで軽い。脇の点線部分を爪で切り、フタを慎重に開ける。勢いよく開けて、中身をぶちまけないように注意。たばこパウチを嗅いでも爽やかなミント感ばかりで、タバコ臭さはない。
一つ手にとり、歯ぐきと頬の間に挟む。どこでもいいのだが、刺激はあるので腫れたりしていない部分に入れたい。あとは放置だ。何もしなくても自然と唾液と混ざり、さわやかなスペアミント系の甘みある味を感じる。
ほぼミントタブレットと同じ味。ただ入れて1分くらいで歯ぐきにピリピリっとした刺激が来る。この辛みがニコチンだ。そしてそのニコチンは歯ぐきからジンジンする感じで吸収されていく。5分〜30分程度で口から取り出し、フタ部分にあるスペースに捨てる。以上。
慣れないうちは喫煙感は全くない。刺激が多少高まる程度だ。中身はタバコ葉のほか、自然由来のニコチン、水、ユーカリと松の木の繊維、厳選したアロマなどでできているという。でも不思議なことに、一服したい欲は薄くなるから面白い。
次に強い版の『ベロ・ポーラー・ミント・ミディアム』をためす。強くてもミディアムというのが初心者でも安心なところだ。今度もミント感がやってきて、歯ぐきにピリッと来る。ここまでは同じだ。
しかしその後のジンジンする感じは限りなくズンズン来る印象。約10分程度でニコチンチャージ完了ともいうべき、一服後の心境になるから非常に不思議だ。
『ベロ・ルビー・ベリー・ライト/ミディアム』
赤いパッケージのこちらはベリー系メンソールのようなアロマタイプ。ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーを使用したという甘酸っぱい味と香りは、まさにフレーバータイプのミントタブレットのようで、とてもおいしい。
『ベロ・ルビー・ベリー・ライト』からためす。これはなるべく鼻に近い上の方に挟むのがおすすめ。香りもたっぷり楽しめる。こちらも刺激は少なめで非常に使いやすい。
次に『ベロ・ルビー・ベリー・ミディアム』。こちらも味と香りは同じだが、刺激は『ベロ・ポーラー・ミント・ミディアム』よりも強めに感じた。
“喫茶去”的な魅力の『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ/梅』
実は『ベロ』より先んじて、JTが2013年から展開している無煙タバコ(かぎたばこ)シリーズが「ゼロスタイル・スヌース」。そして今回の改正健康増進法施行前に投入されたのが、イメージを一新した白缶(プラ製)の『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ/梅』(20個入・税込500円・2020年2月17日発売)である。
シリーズ自体は黒い精悍な黒缶イメージの6種類があり、そこに白缶2種が加わった。黒缶はさながら男性用ヘアワックス的な見た目で、中身もポーションと呼ばれる半透明小袋で包まれ、内部はタバコ色(茶色)で、タバコ製品ということを前面に押し出している印象だった。味の方もタバコ的な罪悪感(?)を感じる味わいが中心だった。
ところが今回は内部の小袋も抹茶色にチェンジ、中身も抹茶色に変化してのラインナップ追加となったので、この2種類をためそう。
まずは『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ』。『ベロ』よりも小袋は少し小さいようだ。海外イメージのあるかぎたばこだけに、2種類とも和路線できたのはどうかと思ったら、意外と合う。
日本人的に抹茶は口に入れるものなので、すごく自然。ただ抹茶ラテのミルクの部分はそんなに感じない。味は『ベロ』よりはタバコ感がじゃっかん強めで、ピリピリ感のエッジが立っている印象だ。1分もしないでピリッとがジンジンした感じに変わり、喫煙状態へ。ぎりぎり感じるタバコテイストが、好きな人には好きなはず。
次に『ゼロスタイル・スヌース・梅』を味わおう。正直どうなのだろうと警戒しつつ、口の中へ。あっ、これはおいしい。まさに梅ミント味。心地いい酸味が爽やか、口の中もさっぱりする感じで、非常に使いやすい印象だ。
それでも物足りない人はどうすればいい?
タバコの主目的であるニコチン摂取は確実に可能なのが無煙タバコ製品である。ただどうしても今までの喫煙印象から、煙どころか蒸気までないというのに、物足りなさを感じる人も多いと思う。
その場合の対策としては、まずベイプ(電子タバコ)を併用してみるといい。ベイプはノンニコチンが基本だが、これら無煙タバコのおかげで蒸気が発生し、吸っている気分と同時にニコチン摂取ができ、満足度が高まるはずだ。
それでも満足できないのなら……、メーカーは推奨しないと思うが、ニオイの少ない低温加熱式タバコ「プルーム・テック/同プラス」、「グロー・センス」と併用するのもいい。これだとニコチンはダブルになるので、かなり満足できるはずだ。
もちろん体に良いことではないので、あくまで自己責任で。
『ベロ』が向いている人、『スヌース』が向いている人
タバコの延長線上で考える人なら、ふんわりタバコ感を感じさせてくれる『スヌース』の方がいい。抹茶感のある和の味わいは、なんとなく千利休時代の喫茶去(きっさこ)的なニュアンスがあっていい。白缶で満足できなかったら、さらに罪深い(?)味わいの楽しめる黒缶スヌースに移行するのも良いだろう。
一方『ベロ』に向いているのは、ベイプ、加熱式タバコ世代だろう。フルーティーなアロマ感のある味仕立ては非常に現代的だからだ。
ちなみにこの無煙タバコも立派にタバコなので、吸いすぎならぬ使い過ぎに注意したい。立て続けにポイポイ口に放り込み続けると、きちんとクラっと来るからだ。慎重に、自分の適量を探りたい。
また、利用に際しては、健康リスクなどを考慮のうえ、注意・マナーを守って使用していただきたい。
photo by 清水葉子