1960年代の技術を細身にまとった『シェーファー リマインダー』ボールペン新登場!
ノックするような場所も見当たらず、どうやってペン先を出し入れするのか悩んでしまう。軸を回転するわけでもないし、クリップを上下させるわけでもない。そのペンの出し入れの機構こそが、このペンの名前「リマインダー」クリップだ。『シェーファー リマインダー』の最大の特長でもあり、シェーファー技術の歴史でもある。この機構を継承したシェーファーの2020年新コレクションが登場した。
アメリカ大統領も使用する信頼の老舗ブランド
株式会社クロス・オブ・ジャパン(東京都中央区)が販売する「シェーファー」は、アメリカのアイオワ州東南部フォートマディソンで、小さな万年筆店として創業された。創業者であるウォルター・A・シェーファーは、1900年代初頭、革新的なレバー充填式万年筆を考案し特許を取得するなど、アメリカの万年筆のパイオニア的存在でもあった。
その後も、数々の万年筆の機構やインクを開発してステータスを高め、歴代アメリカ大統領も使用する信頼の筆記具ブランドとして知られている。
そして今回の新作コレクションが、シェーファーが1960年代に発表した「Sa
記者も、シェーファー万年筆の愛用者で、特にペン先とペン軸本体が一体化したインレイニブ(上写真)の安定した筆記感覚には、他社では味わえない満足感を感じている。
シャツを汚さない“思いやり”の機構!
『シェーファー リマインダー』に搭載された「リマインダー」クリップ機構は1960年代に導入されており、当時はリマインダーではなく「Safeguard」というネーミングだった。文字通り、何かを安全に守る機構だったようである。では、その「何か」とは何か?
ボールペンを日常的に使用し、胸ポケットに挿している人ならば、インクのシミをシャツにつけてしまうことを一度は経験しているのではないだろうか。特に、仕事で急いでいるときにボールペンのペン先を出したままポケットに挿してしまいがちだ。このインクからポケットを守る機構が、「Safeguard」(以後、リマインダークリップ)なのである。
『シェーファー リマインダー』の少し短めのクリップをよく見ると、クリップ下部の本体側に四角いプレートがあり何か細工されていることがわかる。
その部分をクリップごと押し込むことでペン先が出てくる。ペン先が出ている状態では、クリップが押し込まれたまま。
そして書き終えたら、クリップ上部のホワイトドットの部分を押してペン先を本体に格納する。これが「リマインダークリップ」。
カチッとしっかりとした感触のリマインダークリップは、片手で簡単に操作できるのがいい。
こうすることにより、ペン先が出ている状態ではクリップが使用できず、シャツのポケットにペンを挿すことが不可能になる。
1960年代のアメリカに登場したこの機構は、シャツをインクのシミから守るための“思いやり”溢れる技術だったのだ。もちろんそれだけでなく、ペン先をクリーンに保ち、いつでも書き出せる適度なペン先の湿度を維持する目的もある。
そんな約60年前の技術をあえて搭載し、今、新コレクションを登場させることだけでも、ペン好きにとっては十分に感動的なことだ。
万能に使える細身でシックなデザイン
ペン全体を眺めると、ペン軸の直径がわずか9mmしかなく、とても細身でエレガントなデザイン。女性が使っても全く違和感がなく、また男性ビジネスマンがスーツやシャツに挿してもフィットする。
ボディは真鍮のラッカー仕上げで高級感があり、細身の割にはしっかりとした重量感(17g)を感じる。
しかも選べるカラーはマットなブラック、ブルー、グレーとどれもシックで落ち着きがあり、どんなシーンにも使えるバリエーションとなっている。
リマインダークリップ上部には、シェーファーブランドの伝統と品質の証で、ブランドシンボルでもあるホワイトドットが配置されている。
ペン軸中央には、「SHEAFFER」と刻印されたブラックのリングがあり、ペン全体のデザインを引き締める。
そのリングの部分を回すと、替芯(リフィル)を交換することができるので、長く使えるのもうれしい。黒・M字のリフィルが標準装備となっているが、ブルーとブラックのF字、M字(税抜800円)がそれぞれ用意されている。
歴史あるボールペンを大切な1本に
高級感があるにもかかわらず購入しやすい価格なので、良いボールペンの最初の1本としておすすめしたい。購入すると1年間保証の保証書や、使用説明書が付いているのも嬉しい。
上品なパッケージに同梱されているため、節目の贈り物としても、自分用としても、価値ある1本だ。
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photo by 尹 哲郎