ファイナンシャル知識が身につくボードゲーム!『キャッシュフロー』と『キャッシュフロー・フォー・キッズ』を遊び比べてみた!
ボードゲームを遊びながら楽しく投資やお金の基礎知識が学べるゲーム『キャッシュフロー』と、子どもでも楽しめるように調整されたバージョンの『キャッシュフロー・フォー・キッズ』。基本的にはプレイする人の年齢層によって遊び分ける2つのボードゲームだが、大人でも時間を忘れて楽しめることには変わらない。そこで今回は両方をプレイして、遊び比べてみたらどうなるのかをお試ししてみることに!
遊びながら「投資」が学べるボードゲーム! じっくり本格派とシンプルなタイプがリリース中!
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏が考案した世界初のファイナンシャル教育ボードゲームとなる株式会社マイクロマガジン社(東京都中央区)の『キャッシュフロー』(定価 税抜18,000円・発売中)と、『キャッシュフロー・フォー・キッズ』(定価 税抜9,800円・発売中)。
ゲーム盤を駒で進んでいき、「資産」を増やしながら自分の「不労所得」が「支出」を上回ることを目的とすることはどちらも同じだが、対象年齢が14歳以上と6歳以上にわかれており、それに合わせたゲームバランスとなっている。
ルールの詳細などは、それぞれを紹介して実際にプレイしている記事を参照にしてほしい。
『キャッシュフロー』のゲーム盤には外周部分をまわる「ファーストトラック」が存在しており、「投資」で成功した者だけが味わえる夢の「金持ちのゲーム」をロールプレイできるのだ。その分、プレイ時間が参加人数にもよるが60分から180分と長くなる。
対して『キャッシュフロー・フォー・キッズ』も子ども向けと侮ってはいけない。
程よい調整が行われており、記者はアラサーだが十分に楽しめた。相手よりも多く稼ごうと躍起になってサイコロを振る楽しさは変わらない。
どちらもプレイした記者の感想は、じっくり時間をかけて本格的でリアルな「投資」の感覚を覚えたいならゲーム『キャッシュフロー』、わいわいしながらシンプルに短い時間で楽しみたいなら『キャッシュフロー・フォー・キッズ』がおすすめ。
それでは改めて2つのゲームを遊び比べてみよう!
ゲームとは思えないリアルな人間模様が垣間見える結果に…!
今回の遊び比べの裏テーマは、どちらも一緒にプレイして連敗してしまった対戦相手のゲーマー・らぶやん氏にリベンジすること。
まずは『キャッシュフロー・フォー・キッズ』からプレイすることに。
『キャッシュフロー・フォー・キッズ』では、サイコロを降って駒を進めていき、マスの効果によって「資産」や「負債」が増えていく。「資産」を購入する際などは、紙幣を使ったやり取りになるのが特徴。
非常にボードゲームらしいやり取りができるので、大人にも子どもにもピッタリだ。
すでに経験者なので、しっかりと不動産を確保して「不労所得」を確実に稼いでいく。
「資産」カードを買う際には、カードに書かれていることを実行することを忘れずに。
記者は順調な進み具合だったが、対戦相手のらぶやん氏は不運なほど「負債」を抱え込んでしまう。
「資産」を表す緑色のトークンを増やして、「負債」の赤色のトークンをなるべく増やさないことが勝利への道となるが、らぶやん氏はサイコロを振るたびに赤色のトークンが増えていく。
逆に記者はトントン拍子で「資産」を増やしていき、見事リベンジ成功!
2人プレイでは交互にプレイしていくこともあって、準備含めて約50分程度で1ゲームが完了した。複数回遊ぶにもちょうどいい時間である。
続いてテーブルの隣に用意しておいたゲーム『キャッシュフロー』をプレイ!
こちらは自らの職業をランダムに決めて、その収入や支出の金額をベースにゲームがスタートする。記者は秘書、らぶらん氏は前回と同じトラック運転手となった。
損益計算書に職業カードに書かれた情報を記入していき、ゲームの進行に応じて数字を増減していく。実際の帳簿も原理は同じなので、ゲームで親しんでおくことで将来的にリアルでの書面にも苦手意識がなくなるはずだ。
このほかゲームの進行に応じて増減する金銭出納帳も記載していくが、これも足し算引き算。記入する際は消せるタイプのボールペンか、鉛筆・シャープペンシルをおすすめしたい。
電卓機能も活用すれば盤石だ。1度プレイすればお互いスラスラと記入できるようになった。
だんだんここに記入することが面白くなってくるのだが、現実と同じでこの書面上にお金がいっぱいあればウハウハとなり、ギリギリになると余裕がなくなってくる。手持ちの現金がなくても銀行から借り入れをすることもできるので、非常にリアリティあるお金のやり取りをゲーム中で楽しめるのだ。
さて、進行するゲームでは序盤に有り金をつぎ込んで株を購入した赤い駒のらぶやん氏。ほぼほぼ持ち金がない状態で止まったマスは悲劇の「Downsized(リストラ)」。お金も減ってプレイも2回休みになる試練のマスだ。『キャッシュフロー・フォー・キッズ』に続き、らぶやん氏はつらいゲーム展開となってしまう。
さらに「BABY」のマスにも止まる。
これは子どもを授かれるハッピーなマスではあるが、リアル同様子育てにはお金がいるもの。ゲーム盤上には1マスしかないものの、なんとらぶらん氏は4度もこのマスに止まってしまう! 往年の名画『トラック野郎』シリーズに出てくるやもめのジョナサンもびっくりの子沢山人生だ。
「子どもができるのは嬉しいけど、さすがにお金がないよ…」という言葉が印象的だった。ちなみに、ルール上そこまでの大家族はさすがに負担が大きいということなのか、1ゲーム中に授かれる子どもの数は3人までだ(世の大家族のお父さんお母さんはすごい!)。
さて、青い駒の記者はいたって順調に「ラットレース」を脱出して夢の「ファーストトラック」へ突入。対してらぶやん氏は無駄遣いを意味する「DOODAD(ドゥーダッド)」のマスに。めくられたカードは子どもの結婚式であった。
ゲーム上は無駄遣いとなるが、実際には嬉しいイベント。とはいえお金はガッツリかかってしまい、ドラマになりそうなレベルで波乱万丈な人生をロールプレイするらぶやん氏であった(言うまでもないが記者が圧勝した)。
自分に合う「キャッシュフローゲーム」で、仲間や家族と遊んでみて
「投資」を遊びながら学べるのはもちろんのこと、リアルな人生模様を体験できるので、ぜひ若いうちから経験を積んでみてほしい。
序盤での株の全力買いを激しく後悔していたらぶやん氏は「ゲームを通じて危機管理能力が高まった。ゲームの中ではサイコロ次第だが、現実ではある程度自分の意思でお金をコントロールできるので、よく考えて投資などに使いたい」と感想を述べてくれた。
「投資」と人生、両方を遊びながら学べる『キャッシュフロー/キャッシュフロー・フォー・キッズ』。2人以上でもプレイできるので、ぜひ家族や友人と一緒に遊んでみてほしい!
公式サイトはこちら
photo by 尹 哲郎/加藤 真大