香りを凍らせるって!? 『ネスカフェ 香味焙煎 豊香(ゆたか)/柔香(やわらか)』を味わった【高級インスタントコーヒー】
作り方は同じだが、いわゆるインスタントコーヒーとは一線を画すおいしさを実現しているのがレギュラーソリュブルコーヒーだ。その中でも豊かな香りとコクで定評がある”香味焙煎”が一新、『ネスカフェ 香味焙煎 豊香(ゆたか)/柔香(やわらか)』となって再誕生した!
香りと味わいを追求し続けたら、とうとう香りまでまるごと凍らせてしまった!
ネスカフェは、進化を極めた現在は、インスタントコーヒーではなく、正式にはレギュラーソリュブルコーヒーという名称になっている。
その違いは、インスタントコーヒーは基本的に淹れたコーヒーを乾燥させて粉にしているのに対して、レギュラーソリュブルコーヒーはコーヒー豆自体を粉砕し、抽出液と混ぜて乾燥させ、粉の中に封じ込めるという特殊な手法をとっているところ。つまり豆そのものが入っているのである。
もちろんユーザー的には淹れ方自体は同じなので、あまり意識する必要はないし、おいしいと感じるものを選べば良いだろう。
そうしたレギュラーソリュブルコーヒーの中でも香り高さで人気なのが1998年誕生の”香味焙煎”シリーズであり、その最新版となるのがネスレ日本『ネスカフェ 香味焙煎 豊香(ゆたか)/柔香(やわらか)』(60g・希望小売価格 税抜749円・2020年9月1日発売)である。
進化のポイントは、コーヒー豆粉砕時に立ち上る香りまでも真空状態で凍らせてしまったこと。この【真空アロマ抽出製法】(香味真空氷結製法)により香りを逃さずに、淹れた瞬間の香りを淹れたてにすることができたという。
さらに職人が千通り以上の中から、豆の組み合わせを厳選し、香りと味わいを 最大限に引き出す焙煎度で焼き分ける【アロマティックロースト】も今回の施策である。では具体的にそれらがおいしさにどうつながったのか、確認してみたい。
『ネスカフェ 香味焙煎 豊香(ゆたか)』
キャップをひねり、フタのフィルムに穴を開けると挽き売り焙煎珈琲店の店内の香りがした。まるでそこに豆がうず高く積まれているような。でも内部は不揃いな粒々で、見た目は通常のインスタントコーヒーとあまり変わらない。
お湯を入れると、香りは淹れたての喫茶店のコーヒーだ。濃厚なカカオ率高めのチョコレート感あるテクスチャーが舌の上をマイルドに走っていく。粉末感はそのままコクとなり、しっかりとした味わいを感じさせてくれる。
深煎りだけどエスプレッソ系ではない、きちんとしたドリップコーヒーの味わい。以前はどうしても製法上の問題か、ほんの少しエスプレッソ的な粉っぽい印象があったが、今度は違う。少し苦味系だけれど、酸味もしっかり良い仕事をしていて、バランスが絶妙なドリップコーヒーの味になっていた。
これをおいしくないという人はなかなかいないと思う、王道コーヒー味。これが湯入れだけでできるなんて、素直にスタンディングオベーション。
『ネスカフェ 香味焙煎 柔香(やわらか)』
中身に鼻を近づけると、ハイカカオチョコレートのような濃密な酸味が立ち上がる。
このフワッと香るレトロな喫茶店の香り。時間が止まった柱時計のある空間に迷い込んだようなコーヒーの香りだ。
飲んでみてわかったのは、上品な酸味が醸し出す、おいしい軟水(ミネラルウォーター)のような柔らかな広がり。それでいてしっかりとコクがあり、後味はスパッと爽やか。
こちらも昭和初期から存在する珈琲専門店のような味わいでおいしい。酸味系で透明感のあるコーヒーが好きな人なら脱帽する完成度だ。
いつでも淹れたての味を楽しめるというおうちの贅沢をお手軽に!
正直お湯を入れるだけで、これだけのコーヒーができるのだから、技術の進化とは恐ろしい。保温/保冷タンブラーでいつでも飲めるコーヒー環境が最高だと思っていたが、電気ポットを傍に置いて、その都度淹れたてコーヒーの味を楽しめるというのは、コーヒーファンにとって、大きな魅力だと思う。
季節的に暑い場合は、水で溶かしてアイスコーヒーで楽しむこともできる。ただ、お湯よりは溶けにくいので、少量の湯で濃いめに溶かし、氷たっぷりのグラスに注いだ方がおいしく感じた。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。
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photo by 尹 哲郎