【濃いお茶飲み比べ】一番濃旨はどれ!?『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味/お~いお茶 濃い茶/綾鷹 濃い緑茶』
スーパーやコンビニで見かける“濃い”お茶たち。通常よりもたっぷりとお茶の旨味や渋みが抽出されているのだが、その味の違い説明できるだろうか。そこで今回は国内の大手3社が販売する『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味』、『お~いお茶 濃い茶』、『綾鷹 濃い緑茶』の3本を飲み比べして、その味をレビューしていく。一番旨くて濃いお茶はどれだ!?
お茶は食事の飲み物としてだけでなく、嗜好品へと進化
1990年にペットボトル容器の緑茶が発売されて早30年。時代のニーズを取り入れながら試行錯誤を続けた緑茶市場は、原点である急須で入れたような本格的な味わいへと進化をし続けてきた。その中で生まれたのが、2004年発売の伊藤園「お~いお茶 濃い茶」である。
この商品がもたらした影響は非常に強く、2006年には競合のサントリー食品インターナショナルから「サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味」、キリンビバレッジから「濃い生茶」(※)が発売。さらに2007年には緑茶本来の味を再現するコカ・コーラシステムの「綾鷹」が新登場するなど、緑茶市場は戦国時代へと突入した。※「濃い生茶」は製造終了
ともなれば、気になるのが味の違い。同じ“濃い”と名づけられた『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味』、『お~いお茶 濃い茶』、『綾鷹 濃い緑茶』の飲み比べをして、その味や特徴をレビューしてみよう。
『サントリー緑茶伊右衛門 濃い味』
1番手は、サントリー食品インターナショナルの『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味』(600mlPET・希望小売価格 税抜140円・2021年2月23日リニューアル発売)。「伊右衛門」ブランドの特徴でもあるすっきりとした旨味と香り、本格的な渋みと濃さを追求した緑茶だ。
今回のリニューアルでは、新たに高カテキン石臼挽き茶葉を使用しており、従来の福寿園茶匠厳選の渋み茶葉と併せた渋み成分の強化がされている。
パッケージはストライプ柄の入った深緑。上下に金の帯がデザインされているのが特徴だ。
香りは比較的スッキリとした印象。
ひと口含むと、すぐにわかる茶葉の渋み。旨味成分よりも先にキュッと舌を刺激するから、ガラリと口の中の味わいを切り替えてくれる。子どもは苦手だろうが、このインパクトのある渋みはクセになる。
もちろんお茶は文句なしの濃厚さ。すっきりとした香りは風味となって厚みのある余韻を残しており、たったひと口でも満足できるほどの充実感が楽しめる1本だ。
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『お~いお茶 濃い茶』
続いては、濃いお茶の先駆者、伊藤園『お~いお茶 濃い茶』(600mlPET※・希望小売価格 税抜140円・発売中)。濃い茶専用にブレンドされた国産茶葉から抽出された抹茶入り緑茶飲料だ。
2019年には体脂肪を減らす機能があると知られる機能性関与成分グレート型カテキンを1,200mlあたり340mg配合(2本分)してリニューアル。抹茶の渋みと健康意識の2つのアプローチを試みた1本だ。
パッケージは『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味』と似た彩度の高い深緑。
お茶の色は3本の中で最も薄い。抹茶入りだけあって、香りの中にもその存在を感じる。厚みも3本中1番。
味わいは苦味が強め。中盤ごろから渋みを感じる構成となっているようだ。そのためか旨味は少々控えめ。ブラックコーヒーのようなお茶と言ってもいい。甘い和菓子との相性は抜群だろう。
風味はふわっと柔らかく、あまり主張はしない。3本の中では食事と1番合わせやすい1本だと思う。
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『綾鷹 濃い緑茶』
最後は、コカ・コーラシステム『綾鷹 濃い緑茶』(525mlPET・希望小売価格 税抜140円・発売中)。もともと急須で入れたような本格緑茶を目指した「綾鷹」から濃くなったことで、「急須から“じっくりと”入れたような濃い味わい」となった。苦味や渋みの強い茶葉を多く使うことでさらに濃さを表現しているようだ。
従来の「綾鷹」と比較して2倍となる32.7mg(100mlあたり)のガレート型カテキンを含んでいる。『お~いお茶 濃い茶』と比較すると若干少ないのが残念だが、味次第ではそのデメリットも覆そうだ。
パッケージは濃い緑。ちなみに現在は日本の伝統工芸を支援する特別ボトルにリニューアルされている。写真のパッケージは石川県の輪島塗をデザイン。
お茶の色は3本の中で最も濃い。香りはおとなしめで、ライトな印象。
だが、味は真逆の超ヘビー級。思わず顔をゆがめてしまうほどの苦味が襲ってくる。これは“濃い”という領域のギリギリを攻めた玄人向けの味。言うまでもなく3本の中で最も濃厚だ。揚げ物の後に食べても口の中をお茶の味一色にできると言っても過言ではない。
ただ、その分お茶の中の旨味を感じやすいのも事実。初めこそ苦いのだが、次第にその中にある茶葉らしさを楽しめるようになってくるのだ。まるで激辛料理の中にある旨味を味わうようなそんな感覚。これはクセになる人も多そう。
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同じ“濃い”でも全くキャラクターの違う緑茶たち
国内の主要緑茶メーカーが発売する3本の“濃い緑茶”を飲み比べしたところ、実に面白いほど味の違いを実感できた。特に驚いたのは『綾鷹 濃い緑茶』。ガツンとした苦味のある玄人向けの味わいは、後発だからこその差別化された味。他の2本でも満足できなければこれを試してほしい。
『サントリー緑茶 伊右衛門 濃い味』は、程よい渋みとすっきりとした味わいで単品で飲んでも美味しいバランスタイプ。『お~いお茶 濃い茶』は、苦味が強く嗜好品らしい1本。和菓子のような甘いものと組み合わせて飲んでみてほしい。
いずれも全国のスーパー、コンビニで発売中なので、購入の際にはぜひ参考にしてほしい。
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photo by 尹 哲郎