【加熱式タバコ】新型『アイコス イルマ/同 プライム』の使用感と専用スティック『テリア』全11スティック吸い比べ
加熱式タバコのデファクトスタンダードとして君臨する「アイコス」が、喫味そのまま、手入れ不要の『アイコス イルマ/同 プライム』としてフルモデルチェンジした。その機能と、従来品と互換性の無い専用スティック『テリア』全種をヘビースモーカーの記者が、実際に吸ってレポートする。
アイコス最大の弱点・面倒なクリーニングが不要になった『アイコス イルマ/同 プライム』
吸い応えは最高だが、スティックの中心に加熱ブレードをさすことから、デバイス内部に汚れが付着しやすく、掃除が面倒というのが「アイコス」最大の弱点だった。その課題をフィリップ モリス ジャパン『アイコス イルマ』(約116.5g・希望小売価格 税込8,980円)『アイコス イルマ プライム』(約141g・希望小売価格 税込12,980円)は、専用スティック『テリア』(1箱20本入・希望小売価格 税込550円※10月〜580円・以上すべて2021年9月2日発売)との組み合わせで一挙に解決した。
汚れやすい加熱ブレードを廃止し、専用スティック内部に使い捨ての金属片を埋め込み、磁力を利用して中心から加熱(「スマートコア・インダクション・システム」)、吸い応えはキープするという仕組みだ。つまりブレードが無ければ汚れないのである。これにより『アイコス イルマ/同 プライム』はメンテナンスフリーを実現した。
専用スティック『テリア』は、先端にフタをすることでニオイ問題を解決
改善点はまだまだある。「アイコス」は吸い応えは強いが、その分ニオイがきつい(吸い殻含め)という問題だ。『アイコス イルマ/同 プライム』は、専用スティックの『テリア』の先端にフタをすることで、ニオイを直接外に漏らさない仕組みに変更するという策に打って出た。
それにより、タバコ臭はダイナミックに軽減。無臭とは言わないが、従来「アイコス」から半減した感がある。さらに驚くのが吸い殻。ほぼ焦げていないし、ニオイも少なく、吸い殻を箱に戻していた人は、間違えてもう一度吸ってしまうくらいの無傷さだ。
『アイコス イルマ/同 プライム』の喫味はまったく同じ
これまでの「アイコス 3 デュオ」のデザイン系譜を受け継いだ樹脂製ボディの『アイコス イルマ』と、アルミニウム製筐体のフラッグシップモデル「アイコス イルマプライム』は価格差はあるが、そのホルダー部分は共通なので、味に違いはない。
バッテリーチャージャーの性能も約135分でフル充電、20回の使用が可能というのも変わりない。違いはずばりデザイン的に高級感があるかどうかだ。
『アイコス イルマ/同 プライム』専用スティック『テリア』全11種類を吸ってみた
面倒なメンテナンスが不要で、ニオイも軽減と無敵化した『アイコス イルマ/同 プライム』。しかしその機能は、構造上、専用スティック『テリア』でしか味わうことはできない。従来の『アイコス』用「マールボロ・ヒートスティック」「ヒーツ」とはまったく互換性が無いのだ。
そうなると気になるのは、マールボロでもヒーツでもない第3の銘柄『テリア』の味である。紙巻きタバコにも存在しないブランドだが、その味わいは基本的に「マールボロ・ヒートスティック」だったので安心してほしい。おそらく従来品と混同されてしまうことを恐れての銘柄変更なのではないか。味仕立ては基本的に「マールボロ・ヒートスティック」の同名種類と同じである。
【レギュラー系】
「テリア リッチ レギュラー」
「イルマ」の革新性をばっちり味わうなら、この濃厚喫味の「テリア リッチ レギュラー」だ。上質なタバコ葉の重みと旨味が強力なインパクトを与えてくれるレギュラータイプだ。
甘みのないシャープな切れ味の蒸気は、紙巻きタバコに肉薄するケムリ感があって驚いた。加熱式タバコは基本的にレギュラー系が弱いとされていた、その歴史をひっくり返す本格的な味わいだ。
喉へのキック感は既存「アイコス」なみに強いが、雑味がない分すっきりと感じる。加熱式タバコ特有の甘酸っぱさが苦手だった紙巻き喫煙者も、これなら切り替えられるかも知れない。しかもニオイがかなり減少しているのだ。こんな体験、初めてである。
互換性:「マールボロ ヒートスティック リッチ レギュラー」
「テリア レギュラー」
「マールボロ ヒートスティックレギュラー」は、ニオイはキツいものの、タバコ的なタール感(重み)が残っているところから、根強い人気を誇っていた。「テリア レギュラー」では雑味が減った分、少し牙を抜いたジェントルな味わいに。
紙巻きマールボロ感に近い、上質でウッディなタバコ葉の香りがほのかなナッツと合わさって、基本のレギュラータイプならではの旨味を生み出す。
互換性:「マールボロ ヒートスティック レギュラー」
「テリア スムース レギュラー」
ウッディ・アロマとほのかなお茶の香りのマイルドレギュラー「テリア スムース レギュラー」。雑味が抑えられている分、蒸気発生のためにタバコ葉に添加されているグリセリン類の味が目立ち、少々甘酸っぱい。
互換性:「マールボロ ヒートスティック スムース レギュラー」
「テリア バランスド レギュラー」
シャープな酸味に、まろやかな旨味とわずかな甘みが特徴の洗練されたレギュラータイプ「テリア バランスド レギュラー」。隠し味にハーブ&シトラス。まろやかなマイルドタバコのおいしさだ。
互換性:「マールボロ ヒートスティック バランスド レギュラー」
【メンソール系】
「テリア ミント」
メンソール感とタバコ味が共存するメンソールタイプ「テリア ミント」。往年の紙巻きタバコのタバコが”主”で、メンソールが”従”という理想のバランスがたまらなくおいしかった。互換性:「マールボロ ヒートスティック ミント」
「テリア メンソール」
辛みが特徴のペパーミント系メンソールタイプ「テリア メンソール」。タバコ感はマイルドで、主役はメンソール。強メンソール好きにおすすめ。互換性:「マールボロ ヒートスティック メンソール」
「テリア ブラック メンソール」
通称”ブラメン”と呼ばれて人気の高いマールボロの強力メンソールタイプ「テリア ブラック メンソール」。やはり清涼感も冷感もMAXだが、甘さを控えたビリビリした苦みに近い刺激は同じだ。雑味が少なくなったが、ニコチン感も強く引き締まった冷涼感がいい。
互換性:「マールボロ ヒートスティック ブラック メンソール」
【フレーバーメンソール系】
「テリア パープル メンソール」
人気の高いベリーメンソールに属する、フレーバーメンソールタイプ「テリア パープル メンソール」。芳醇なブルーベリーやぶどうのピールを含めた、ミディアムボディのワイン感が特徴である。しかし雑味が減った分、アロマが際立ち、ケミカル感を感じてしまった。
互換性:「マールボロ ヒートスティック パープル メンソール」
「テリア イエロー メンソール」
シトラスとハーブの香りがブレンドされているフレーバーメンソールタイプ「テリア イエロー メンソール」スパイシーな刺激に少々オリエンタル風味があり、クセがある。メンソールは強めだ。
互換性:「マールボロ ヒートスティック イエロー メンソール」
「テリア ブライト メンソール」
グリーンフルーツのフレーバーメンソールタイプ「テリア ブライト メンソール」。一般的にキウイや青パパイヤなどが属するグリーンフルーツの味及びアロマが香るが、強いメンソールでクセはあまり感じなかった。互換性:「マールボロ ヒートスティック ブライト メンソール」
『テリア トロピカル メンソール」
南国風味のフレーバーメンソールタイプ「テリア トロピカル メンソール」。南国さはグアバ・マンゴー程度の日本人のなじみのある範囲で抑えられているので、安心して楽しめる。メンソールは強め。
互換性:「マールボロ ヒートスティック トロピカル メンソール」
まとめ:『アイコス イルマ/同 プライム』は革新的なうまさだが、問題はコストか
最近の加熱式タバコの傾向から見ると、『アイコス イルマ/同 プライム』はデバイス代が高く感じると思う。さらに現状は「ヒーツ」のような廉価版銘柄は存在しないので、現在1箱550円、10月値上げ以降で580円とランニングコストも高くなる。
もちろん『アイコス イルマ/同 プライム』の、吸い応えの強いまま、ニオイを抑えてメンテナンスフリーというコンセプトは素晴らしい。雑味を抑えたラグジュアリーな喫煙体験は、今までの加熱式タバコ体験とはひと味違うものである。
スティックのおすすめは、従来のレギュラー味からインパクト重視なら「テリア リッチ レギュラー」、「テリア ミント」も雑味が抑えられてすっきりした分、メンソールがクリアに広がって、新鮮な喫煙体験ができる。
入手は全国のたばこ取扱店、コンビニエンスストアなどで可能だ。
公式サイトはこちら
photo by 清水葉子