売れすぎて3日で販売休止に!『アサヒ生ビール』ガッキーの笑顔に癒やされる飲食店でしか味わえない幻の味が再販中
2021年9月に新発売されたものの、CMの効果もあってか売れすぎて一時販売中止となった『アサヒ生ビール』だが、昨年11月より再販中。いったい何が話題になって、ここまでの人気を呼んでいるのだろうか。実際に味わって、この「アサヒ生ビール」の人気の秘密を探ってみる!
アサヒビールを復活へと導いた幸運の不死鳥がマルエフこと「アサヒ生ビール」
「日本のみなさん、おつかれ生です!」
ガッキーこと女優・新垣結衣がイメージキャラクターを務めるアサヒビール(東京都)のビール製品『アサヒ生ビール』(350ml缶・実勢価格 税込198円・2021年9月14日発売)。発売とともに話題が沸騰。なんと発売から3日で販売休止になるという、売れすぎによるうれしい悲鳴が同社内にも轟いたことだろう。
この「アサヒ生ビール」(通称:マルエフ)、いったい何が話題となって、ここまでのヒットにつながったのだろうか。もちろん、このガッキーによるCM効果もヒットの一因ではあるのだろうが、それだけで爆発的ヒットになるとは考えにくい。
まずは商品コンセプトから探っていきたい。
そもそも「アサヒ生ビール」は、1986年に低迷する同社のビール事業を救った飲食店のみで提供される生ビールの復活がコンセプト。通称の「マルエフ」とは、同製品の開発記号であり、「F」はフェニックスの頭文字だという。まさに「アサヒ生ビール」は、幸運を呼ぶ不死鳥のような製品だったのだ。
なお、フェニックスは英語で書くと「Phoenix」。つまり頭文字は「P」。同社でも、この事実に後から気づいたため、マルエフの「F」は幸運(Fortune)の不死鳥という由来にこっそり変更しているということだそうだ。
そんな、これまで飲食店でしか味わうことができなかった「アサヒ生ビール」を、おうち時間を楽しむためのアイコンとして缶ビールで復活させたところ、3日で完売し、想定以上の売れ行きで販売休止を余儀なくされたという。
この「アサヒ生ビール」は、同社の看板ビール商品「スーパードライ」とともに2枚看板となるヒット商品に育てようという意気込みが感じられる。実際、大人気女優のガッキーをイメージキャラに起用したり、量販店の店頭では大々的にPOP広告などを打ち、販売面でも力が入っていた印象を受ける。
ただ、こうしたコンセプトや販売戦略だけでは、ここまでの好調さにはつながらない。消費者だって、それだけで選ぶような消費行動は取らないだろう。
それでは、実際に飲んでみて「アサヒ生ビール」がヒットした理由について探っていきたいと思う。
缶ビールとは思えないクリーミーできめ細かい泡の再現性
やはり生ビールはグラスに限るということで、さっそくプルタブをプシュッと開け、グラスに注いでみる。この「アサヒ生ビール」は非熱処理のため、泡立ちが大きな特徴となっている。
注ぎ切ってみて驚く。缶ビールで、このボリューム感のあるクリーミーできめ細かい泡が再現できるとは。ひと口飲んでみると、見た目通り、なめらかで柔らかな口当たり、まろやかながら適度な苦味で何本でも飲めてしまいそうな“おそろしい”ビールだ(笑)。
それもそのはず。この「アサヒ生ビール」は、アルコール度数が4.5%と一般的なビール飲料よりも低めに抑えられている。コロナ禍以前は、どちらかというとアルコール度数高めの商品がもてはやされていたが、おうち時間が増え、“微アル”ブームにシフトしている消費者のニーズに沿った商品コンセプトなのも、ヒットの要因となっているようだ。
なお、このようなボリュームのあるクリーミーな泡を再現するための「マイルド注ぎ」のやり方を、ガッキーが実演してくれているので、これもチェックしておきたい。
PR戦略、商品コンセプト、飲食店限定の味を再現という相乗効果でヒット商品に!
売れすぎちゃって3日で販売休止という“伝説級”のヒットとなっている「アサヒ生ビール」。PR戦略もあることながら、飲食店でしか味わうことができなかった生ビールの味わいを、おうち時間で楽しむことができるといった商品コンセプトもハマったのだろう。
なお、2022年2月現在、「アサヒ生ビール」は350ml、500ml共に再販中なので、コンビニ、スーパー、量販店やネットストアなどで手に入れることができる!
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photo by 尹 哲郎