【発酵ナチュラル系】おいしい『自然派レモンサワー3種飲み比べ』麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%/同 ALC.7%/キリン 麹レモンサワー
コンビニの酒類コーナーに鎮座する多種多様なレモンサワーたち。豊富な種類が選べるのはお酒好きにとって嬉しい多様性だが、一時期のストロング系のブームのあと、「発酵ナチュラル系」のレモンサワーが台頭してきているのをご存知だろうか? 特にキリンビールが力を入れている「発酵ナチュラル系」の『自然派レモンサワー3種飲み比べ』を行い、レモンサワー大好き記者がその味わいの比較をしてみる!
いまレモンサワーを選ぶときに意識したい「発酵ナチュラル系」とは?
コロナ禍で晩酌事情は大きく変わった。居酒屋で飲むのではなく、宅飲みでお酒を嗜むことが当たり前になったことと健康志向ニーズが高まったことで、キリンビールは健康素材・麹を取り入れた『キリン 麹レモンサワー』とレモンサワーの人工感をなくしたナチュラル思考の『麒麟 発酵レモンサワー』を近年リリース。
キリンビールが今最も力を入れているというカテゴリーが、これら3種類の「発酵ナチュラル系」だ。自然由来の発酵酒の概念を取り入れ、自然感・健康感を打ち出したレモンサワーたち。確かにレモンサワー好きの記者もアラサーとなり、健康維持のために運動を意識的にしつつお酒の量も20代に比べると減ってきているので、惹かれるものがある。
強烈なアルコール感でガツンと酔える「ストロング系」とは真逆の思想ともいえる「発酵ナチュラル系」に注目して、そのまま飲んだ味わいと食事と一緒にいただいたときの味わいをポイントに飲み比べをしてみることに。
まずは飲み比べるラインナップを順番に見ていこう。『麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%』(350ml缶・コンビニ想定価格 税込174円・2021年10月5日発売)は、もともと『麒麟 発酵レモンサワー濃いレモン』の商品名だったが、2022年1月から中身・パッケージともにリニューアルされた。
ポイントは発酵レモン果汁を使っている点と果汁12%というところ。この果汁量は、キリンビールのRTD商品(栓を開けてすぐ飲める飲料)の中でも最大レベルとのことで、香料・酸味料・甘味料を使用せずともみずみずしいレモンの美味しさを楽しめるように。アルコール度数も5%なので、万人に勧めやすい1本だ。
『麒麟 発酵レモンサワー』(350ml缶・コンビニ想定価格 税込174円・2021年3月16日発売)も、パッケージと中身がリニューアル。当然発酵レモン果汁を使用しており、香料・酸味料・甘味料は不使用だ。果実を発酵させることで、本来持っている果実の香気成分が55種類も増加している。
こちらは果汁量10%と『麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%』と比べると少し少ない分、アルコール度数が7%に。レモンの美味しさとお酒の美味しさを両立した心地よさが、パッケージにもしっかりと書かれている(青いラインが入っていてぱっと見でも区別しやすいのもポイント)。
『キリン 麹レモンサワー』(350ml缶・コンビニ想定価格 税込174円・2020年10月13日発売)は、キリンビールのRTD史上初となる麹を使用したレモンサワーだ。原料となる米や豆を蒸したものに麹菌を繁殖させた麹に含まれる酵素の効果によって、栄養の消化・吸収をサポートしてくれる。
皮ごと絞りレモンと米麹抽出物を混ぜ合わせる製法によって、レモンの旨味を引き出しつつ、食事にも合うすっきりとしたレモンサワーだ。アルコール度数7%で、飲み応えもある。果汁量は0.5%なので、「発酵レモンサワー」2つの果汁量がいかに多いのかがわかるだろう。
『麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%』
さて、それでは『麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%』から比較のためにいただいていこう。レモン果汁が染み込んだ色合いとなっている。
ひと口飲んでみると、果汁12%なので口当たりは非常にみずみずしく、レモンらしい酸っぱさが味わえる。これはたしかに味も香りも爽やかだ。スピリッツベースで後味はクリアなので、次が飲みたくなるクセになる味わいといえる。
食べ合わせのメニューは、記者が独断と偏見で選んだレモンと相性がいい食べ物ランキング1位の鶏の唐揚げだ(ちゃんとレモンをかけるときは断りを入れるタイプ)。
マヨネーズを少々付けてジューシーなからあげをいただいたあとに飲んでみると、酸っぱいレモンが喉元を刺激してくれるのでゴクゴクといける。唐揚げに限らず、濃いめの味付けの揚げ物にも合いそうだ。
『麒麟 発酵レモンサワー ALC.7%』
続いて『麒麟 発酵レモンサワー』だ。実は記者がアルコール度数的に良い塩梅だと思っているのが7%なのだが、5%だと少しアルコール度数が軽く、9%だとキツイので程よいバランス感があると思っている。
『麒麟 発酵レモンサワー ALC.5%』と比べると落ち着きある果汁感という印象で、しっかりとしたアルコール感もある。どちらかというとレモン果汁の持つ苦味を活かした立っているので、ゴクゴク飲むというよりはゆったりと時間をかけて晩酌するタイプの1本だ。
同じく唐揚げと一緒に食べ合わせてみる。すでに良い感じに酔っ払って楽しくなってきているが、落ち着きなさいよと言わんばかりに、香ばしさをいったんリセットするような酸味が口内を包み込む。
単純に2%違うのではなく、酸っぱさを活かした方向性と苦味とアルコール感を活かした方向性と明確にわかれているので、自分にあった方を選びたい。
『キリン 麹レモンサワー』
最後は『キリン 麹レモンサワー』をいただく。実は久しぶりに飲んだのだが、改めてのインプレッションは「優しい」である。相手を気遣ってくれる料亭の女将さんがレモンサワーになったのかごとく(「レモンサワー娘フレッシュパーティー」というアプリゲームがあったら課金する)。
元々はまろやかさもありつつ、切れ味抜群のレモンサワーという印象であったが、しっかりとしたアルコール感の中に確かに感じられるレモンの爽やかな甘さがキーポイントといえる味わいに。
たっぷり買ってきた唐揚げは当然まだあるので、パクパクといただく。唐揚げのあとに飲むと、レモンのさっぱりさで口内がリセットされるのは変わらず。このあたりは和食に欠かせない麹の相性の力とも言えるのだろうか。
そのままで飲んでも良し、食事と合わせても良しのハイブリッドさという観点から、今回飲んだ3本の中では『キリン 麹レモンサワー』を一番としたい。
発酵ナチュラル系レモンサワーを飲み比べての結論は、レモンの自然な美味しさとひと口に言っても、爽やかな酸っぱい果汁感に注目するのか、苦味が効いた渋い味わいにこだわるのか、まろやかさとキレ味を両立させるのかなと味わいへのアプローチは多種多様だということ。
多様性がどんどん認められていく世の中なので、レモンサワーの数だけ個性的な美味しさが存在することは喜ばしい。変わっていく価値観に合わせて、発酵ナチュラル系のカテゴリーもどんどん進化していくはずだ。10年後20年後のレモンサワーを楽しく飲むためにも、健康的な生活を送っていこうと決意した記者であった。
ぜひスーパーやコンビニで見かけた際は、発酵ナチュラル系カテゴリーのレモンサワーを飲んでみてほしい。
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photo by 尹 哲郎