【特集】『トリュフ味ポテトチップス 4種食べ比べ』ハンターズ 黒トリュフ/香るJagabee トリュフ塩味/トリュフポテトミックス/プリングルズ 黒トリュフ
数々のフレーバーが存在するポテトチップス業界で、近年ブームとなったフレーバーをご存知だろうか。そのフレーバーとは、世界三大珍味のひとつ“トリュフ”。プチ贅沢フレーバーとして、庶民派お菓子のポテトチップスと高級食材トリュフのコラボが人気を集めているようだ。そこで今回は『トリュフ味ポテトチップス 4種食べ比べ』と題して、各メーカーのトリュフ×ポテトチップスの味わいをたしかめてみよう。
トリュフは芳香だがクセ強し! じゃがいもとのバランスが重要
世界三大珍味のひとつ“トリュフ”は、塊状のキノコの一種。その独特な香りは、アーモンドのような、土のような、スパイスのような…ほかの言葉では表せない魅力を持っている。森林の地中に埋まっているため採取が難しく、数も少ない高級食材だ。
そんなトリュフだが、実は味がほとんどない。無味。そのため香り付けとして使われることがほとんどで、むしろそれしかないというのが現実。だからこそ、ポテトチップスのフレーバーになって、しかもブームになったと知った時は驚いた。
そうなると、どんな味か気になるのが、記者の性分。そこで『トリュフ味ポテトチップス 4種食べ比べ』と題して、各メーカーのトリュフフレーバーを購入。一体どのように料理されているのか、たしかめてみよう。
『ハンターズ 黒トリュフフレーバーポテトチップス』
1つ目は、ポテトチップス界にトリュフブームをもたらすきっかけとなった、東京ヨーロッパ貿易(東京都)が輸入するハンターフーズ社の『ハンターズ 黒トリュフフレーバーポテトチップス』(40g・実勢価格 税込169円・都内成城石井にて購入)。
ハンターズフーズ社のメインブランドである「ハンターズグルメ」のフレーバーのひとつで、同社のポテトチップスの2~3割増しの厚さでカット。職人の手によってじっくり揚げられたザクザク食感が特徴のポテトチップスだ。
トリュフフレーバーのメインは、やはり香り。期待を込めて袋を開けると、何とも言い難い独特な香りがする。土のような生々しい感じもありつつ、少しスパイシーさが含まれているような印象。
堅揚げに作られているため、バリザクっとした食感が鳴り響く。基本的には塩味なのだが、トリュフの香りがかなり強い。トリュフはじゃがいもの味に似ているとも言われていることもあって、トリュフをチップスにして食べているような気分になる。トリュフは高いけどトリュフを堪能したい人におすすめだ。
『香るJagabee(じゃがビー) トリュフ塩味』
続いては国内の大手スナックメーカー、カルビー(東京都)の『香るJagabee トリュフ塩味』(39g・実勢価格 税込169円・2022年6月13日発売※コンビニエンスストア期間限定、2022年7月下旬終売予定)。
「Jagabee」は、“じゃがいもの味がちゃんとする”をコンセプトに作られたブランド。皮つきのままカットされているのが大きな特徴だ。しかし、『香るJagabee トリュフ塩味』は、従来とは少し異なり、その名の通り香りにも力を入れたシリーズ。じゃがいもの品種にはナッツのような風味の「フォンテイン」を使い、ここに芳醇な香りの黒トリュフ塩を組み合わせた「香るJagabee」である。
香りはかなり控えめ。袋に鼻を入れて思いっきり深呼吸すると、コンソメのような香りを感じる。「フォンテイン」のナッツのような風味とトリュフの香りを一緒に嗅ぐとこうなるのだろうか。
表面はザクっと、中はホクっとした「Jagabee」ならではの食べ応え。噛んでいくと「フォンテイン」のナッツのような風味が広がっていく。その反面、トリュフの風味はほとんどなく、ときどきかすかに感じる程度。ポテトスナックとしてはとても美味しいのだが、トリュフフレーバーとしては少し物足りないと感じた。ただ、「フォンテイン」は他ではなかなか出会えない味なので、こちらを目的に食べてみてほしい。
『トリュフポテトミックス 4種のおいもミックス 黒トリュフソルト味』
3つ目は味源(香川県)の『トリュフポテトミックス 4種のおいもミックス 黒トリュフソルト味』(25g 実勢価格 税込270円・都内セブン-イレブンにて購入)。さつまいも、紫いも、オレンジさつまいも、タロイモの4種類のおいもを黒トリュフ塩で味付けしたフレーバーだ。
極薄にスライスされたサクパリ食感と4種類のチップスごとの味わいの違いが楽しめる。1袋あたり25gと小容量だが、食物繊維2.3gを摂取できるのも魅力だ。
袋を開けると、ほんのりと香るトリュフの香り。土っぽさもなく、トリュフの良いところだけを感じる。
極薄チップスだが硬めに揚げられたザクパリ食感。口に入れると塩味とともにトリュフが風味となって表れる。ふわっと鼻に抜ける芳香。クセが強くなく、かといって控えめすぎない程よいバランス感だ。噛み進めると4種類それぞれのおいもの味が顔を見せる。甘さの違いが食べ比べできて面白い。見た目も華やかで、記者のお気に入りチップスだ。
『プリングルズ(PRINGLES)黒トリュフ』
最後は日本ケロッグ(東京都)の『プリングルズ(PRINGLES)黒トリュフ』(51g・参考価格 税込160円前後・発売中)。成型ポテトチップスにブラックトリュフパウダーを使ったプレミアムフレーバーだ。
パッケージは日本「プリングルズ」初のゴールドとブラックの2トーンカラー。リッチなデザインのせいか、昨年リニューアルした「Mr.P」がどこか誇らしく見える。
トリュフの香りもありつつ、ポテトチップスの甘さもある印象。あまりクセがないので、初めて食べる人にはちょうどいい感じだろう。
食べてみると、香りで感じたバランス感がそのまま表現され多様な味わい。トリュフの風味と塩味、そして噛むごとに広がるじゃがいもの甘みがミックスされ、クセがなくてとても食べやすい。じゃがいもが主体にあり、トリュフが支配的ではないので安心して食べられるのも「プリングルズ」らしいところ。贅沢と安心を同時に楽しめる味わいだった。
トリュフを存分に味わいたいならこれ!
それぞれ食感や味の違いはもちろん、トリュフとのバランス感もバラバラで、個性が際立ったラインナップだった。トリュフを存分に味わいたいなら、『ハンターズ 黒トリュフフレーバーポテトチップス』一択。良くも悪くも、トリュフをがっつりと感じられる味だった。
記者的No.1は『トリュフポテトミックス 4種のおいもミックス 黒トリュフソルト味』。トリュフとじゃがいものバランス感が良く、完成度の高さを感じた商品だ。残り2つはややトリュフ感が控えめ。その分クセはないので、初めて食べる人にはぴったりだろう。
photo by 尹 哲郎