塩辛くない! 甘口仕立ての『おからにしん番屋漬』がやみつきになるおいしさだった!
米糠と塩で漬込む糠にしんは、1口でごはんを茶碗1杯食べられるくらいおいしい食べ物。だが、もともとは保存を目的としており、塩辛さがちょっと食べづらいという人も多いはず。そんな人におすすめなのが『おからにしん番屋漬』。その名の通り、おからで漬けた焼き魚用にしんだ。その味は塩辛くなく甘口で、鰊本来の味わいが楽しめるという。今回は、北海道前浜産とアメリカ産、そして燻製風味の3種類を食べ比べてみよう。
20年以上愛されているロングセラー。メインのおかずOKの塩分控えめ
今回紹介するのは、「ヤマニの塩数の子」で有名な井原水産(北海道)の『おからにしん番屋漬』(冷凍・発売中)。昭和29年創業の水産加工食品製造メーカーが作る、発売から20年以上愛されているロングセラー商品だ。一般的ににしんは、糠にしんとして食べられることが多いが、焼き魚としてごはんのおかずにするには塩辛すぎるという声もあった。(お茶漬けにしたり、北海道の郷土料理である三平汁にしたりする。)
もっと幅広い世代に手軽ににしんを食べてもらうために、同社は『おからにしん番屋漬』を開発。塩辛さを抑え、おからのまろやかな風味をにしんに移すことで、臭みがなく、身も柔らかい、にしんの旨味を引き出した商品となっている。
『おからにしん番屋漬 北海道前浜産』
はじめに食べるのは『おからにしん番屋漬 北海道前浜産』(1尾・希望小売価格 税込540円)。近年豊漁の北海道のにしんを使った一品だ。サイズはアメリカ産と比べるとやや小ぶり。しかし、その分身が引き締まっており、脂乗りが上品といった特徴があるという。
冷凍品のため食べる前に冷蔵庫で要解凍。すぐ食べてもいいが、お好みで数日寝かせることで漬かり具合を調整できるとのこと。今回はおすすめの2日寝かせて食べてみた。
表面と腹の中におからが入っているので、水洗いしてから調理。
手で触っても魚臭さがほとんどつかないのも嬉しいポイント。
食べてみると、これがめちゃくちゃおいしい! 上品な脂乗りというのがよく分かる旨味と引きの良い味わい。程よい塩分によってにしんの旨味をガツンと感じられる。
つかり具合も実に見事で、甘口ではあるが最低限の塩味があるから濃厚な味に仕上がっているのだ。
といっても、塩辛いわけではない。糠にしんは一口ごとに白米などを挟まないとつらいが、これは単体でもいける。一般的に食べる塩サバや塩さけと同じような塩味だろうか。なお、ハラスなどは身が薄い分少し辛めなので、お茶漬けなどにするのがおすすめ。ご飯を何杯でも食べられるくらい相性は抜群のおいしさだった。
『おからにしん番屋漬 (アメリカ産)』
次に食べるのは、『おからにしん番屋漬 (アメリカ産)』(1尾・希望小売価格 税込454円)。北海道産よりも大きなおなかにおからを抱かせ、ごはんのおかずとしても、酒の肴にもなるように味付けされたベーシックな番屋漬けだ。同社によると、小骨には注意が必要だが、子供からお年寄りまで幅広い世代から人気だという。
お箸をさしてすぐわかる身のやわらかさ。ただ焼いただけなのに、ふっくらとしている。北海道産と比べて明らかに脂の量が多く、ジューシーな味わい。比較的脂のない尻尾付近でもにしんの旨味がガツンと伝わってくる。
おから(大豆)の風味がふわっと感じられるのも面白いところ。味変のように楽しめるので、じっくりと感じてみてほしい。後味にも余韻がしっかりと残るので、ご飯にもぴったり。記者としてはビールや焼酎など幅広いお酒とも合わせたくなる味だ。
『おからにしん番屋漬燻製風味 (アメリカ産)』
最後は、『おからにしん番屋漬燻製風味 (アメリカ産)』(1尾・希望小売価格 税込454円)。その名の通り、燻製風味に仕立てたことで、香ばしい香りとにしんの旨味を同時に楽しめる一品だ。先に食べた2品はおからが付いているが、こちらは入っていないので水洗い不要。解凍後にすぐ食べられる。
焼き上がると、ふわっと広がる燻製の香り。身の色もうっすら茶色になっている。燻製との相性が良すぎるのか、味の強さは群を抜いているが、味のバランスも良く、にしんの旨味、塩味、燻製の風味を楽しめる。
記者としてはご飯との相性は3つの中で1番良いと思う。酒の肴にするなら、日本酒などがおすすめだ。
リピーターが多いのも納得のおいしさ!
リピーターが多いというのも納得の「おからにしん番屋漬」。塩辛くなく、にしんの旨味が存分に味わえるおいしさだった。糠にしんより気軽に食べられるおかずとして試してみてほしい。
北海道内スーパー、オンラインショップ、井原水産直売所(留萌市)で発売中。
photo by 蘭よう子