徳川家康がかつて愛した『本饅頭』、600年以上続く伝統の味。こだわりの餡がぎっしり!
今や誰もが1度は口にしたことがあるであろうお菓子、「饅頭」。饅頭の歴史はとても古く、かつては将軍や大名など地位のある人々しか食べられなかったお菓子なんだとか。そんな歴史ある饅頭の『本饅頭』をおためししてみた!
日本の饅頭の元祖「塩瀬饅頭」と「本饅頭」
塩瀬総本家(東京都)は、貞和5年(1349)に中国より来日した初代林浄因が当時奈良に住み、初めて餡入りの饅頭を作り売り出した歴史ある和菓子老舗。淨因は、肉食が許されない僧侶のために小豆を煮つめ、甘葛の甘味と塩味を加えて餡を作り、これを皮に包んで蒸し上げた。その画期的な甘味が寺院に集う上流階級に大評判となって広まっていったことが日本の饅頭文化の始まりだ。その後その饅頭屋は、1467年の応仁の乱により京都が焼け野原となり、愛知県の塩瀬村に疎開したことをきっかけに名前も「塩瀬」となった。
今回紹介する「本饅頭」(1個・価格 税込432円・発売中)は徳川家康が長篠の戦いに出陣したとき兜に盛って戦勝を祈願した、歴史あるお饅頭だ。
この「本饅頭」は、その後家康しか食べられなかった「お留め菓子」として作られ、塩瀬が家康に連れられ江戸幕府御用となってから今もなおずっと伝統の味を守って作られており、極薄の皮に包まれたこの饅頭を作れる職人はほんの一握りという逸品。餡をたっぷりと使ったなんとも贅沢な饅頭だ。
塩瀬の饅頭のこだわりは「北海道音更町の小豆」にある。小豆の生産量が全国の80%を占める北海道は、同じ畑での連作が出来ない小豆の生産に適している広大な土地を有するためだ。なかでも北海道十勝平野の中心に位置する音更町で作付している品種「エリモショウズ」は、餡の風味が良く昔ながらのあんこの味を好む人の期待を裏切らないことから、菓子職人に好まれている。
餡の食感が楽しい! すっきり上品な味わいがクセになる
見た目はまるでおはぎ。「饅頭」と聞いて想像するものと、あまりの違いに驚いた。見るからにずっしり感があり、食べる前から食べ応えがあるのが分かるほどだ。まん丸な『本饅頭』は高級感ある美しいフォルム故に、手土産で持って行けば喜んでもらえそうだ。
皮は非常に薄く、あんこが透けるほど薄い皮にぎっしりと餡が詰まっている。見た目は柔らかそうだが、表面に触れてみると意外にも皮がしっかりとしている。
一口食べてみると、濃厚なこしあんの中に大納言小豆が散りばめられていた。なめらかでしっとりとした餡を感じつつ、食感も楽しい。まさにあんこ好きの人にはたまらない饅頭だろう。あっさりとした程よく上品な甘さで、どんどん口に運びたくなる。普段和菓子を食べない息子にもかなりの好評だった。消費期限が2日というのも繊細でどこか特別感がある。
昔ながらの歴史ある『本饅頭』。あんこ好きの方には特に、餡の風味や食感を是非楽しんでみてほしい。
松屋銀座店、渋谷東横のれん街店、大丸東京店、日本橋高島屋店、京王百貨店新宿店、水戸京成百貨店、塩瀬築地本店、オンラインショップで購入可能。
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photo by 尹 哲郎/official images