愛され続けて40年! プロ御用達のこぎり『「ゴム太郎」シリーズ』の切れ味と断面が良すぎて驚かされた
1984年に発売され、来年40周年を迎える超ロングセラーのこぎり『「ゴム太郎」シリーズ』をご存知だろうか。世界で初めてのこぎりの柄にゴムグリップを採用した、プロ御用達のシリーズだ。むろん、単にゴムグリップなだけではない。多くの人々に支持され続けているその理由をご紹介しよう。
世界初のゴムグリップを採用した「ゴム太郎」に搭載された技術とは
ユーエム工業(兵庫県)は、1919年に設立したのこぎり専門メーカー(当時の社名は宮脇鋸製作所)だ。1984年に世界初となる柄にゴムグリップを採用した鞘入りのこぎり『「ゴム太郎」シリーズ』(発売中)を発売。手袋や汗で手が滑らないよう、ゴムグリップによって抑制し、力を伝えやすくしたシリーズである。
ただ、これだけの理由で40年近く世界中で愛されているわけではない。『「ゴム太郎」シリーズ』には、のこぎり一筋メーカーの精巧な技術が集約されている。
その1つが、滑らかで綺麗な切断面に仕上げるアサリ無し構造だ。アサリとは、左右に広がったのこ刃のこと。切断面とのこ刃の間に隙間を作ることで摩擦を減らし、スムーズに往復できるようにしている。しかし、この隙間によって刃がブレて切断面を傷つけてしまう。
『「ゴム太郎」シリーズ』はあえてこのアサリを無くし、のこ刃が接触面に触れないように鏡面研磨する(若干へこませる)ことで、スムーズな切断と綺麗な切断面を実現しているというわけ。その切り口はまるでカンナをかけた後のように綺麗だという。
現在発売されているシリーズは以下の通り。さっそく木を切断してみよう。
- 『ゴム太郎 荒目』(4サイズ・240mm/希望小売価格 税込5,863円)
- 『ゴム太郎 細目』(3サイズ・240mm/希望小売価格 税込5,863円)
- 『ゴム太郎 2段切り』(3サイズ・240mm/希望小売価格 税込6,534円)
- 『ゴム太郎 プロ剪定』(2サイズ・240mm/希望小売価格 税込6,193円)
- 『ゴム太郎 根切り』(240mm・希望小売価格 税込5,863円)
素人の記者が木を切断してみた
まずはシリーズの定番『ゴム太郎 荒目』で切断しよう。ロック付きの鞘のため逆さにしても少々の衝撃では落ちない。
鞘の両端にはローラがついており、引っ掛かりにくくスムーズに出し入れができる。(全シリーズ共通)
手袋をしてグリップを握ると、たしかに滑りにくく握りやすい。絶妙な硬さと柔らかさで、吸いつくような握り心地。手袋をしていても、握っている感覚が伝わり安心感がある。
ギコギコと往復させると、驚くほど食いつきが良くスムーズに進んでいく。引っ掛かりは皆無と言っていいほど無く、のこぎりの自重だけで進んでいく。のこぎり刃はやや厚く簡単にはしならないので、安定してまっすぐ動かせて使いやすい。
気になる切断面は……ものすごくきれい! カンナ仕上げレベルというのも納得のスベスベだ。これはすごすぎる。
続いては細目(先端の3分の1)と荒目の2種類の刃を備えた『ゴム太郎 プロ剪定』。太い枝や細い枝もこれ1本で簡単に切断できるというわけ。
基本的には先ほどと同じ使い心地だが、切り始めの食いつきを細目で行い、切断を粗目で行うというやり方もできるので、使いこなせばかなり便利。切り屑が目に見えて排出されるのも面白い(これも同社の「未来目」と呼ばれる技術のおかげ)。
こちらも断面はとってもきれい!
そのほか3種類も使ってみたが、細い木の切断向けの『ゴム太郎 細目』は繊維が繊細な竹などにも向いている。『ゴム太郎 2段切り』は背に歯がついた両刃のこぎりなので、姿勢を変えずに自由度の高い切断ができた。『ゴム太郎 根切り』は、『ゴム太郎 荒目』にメッキ加工をして耐摩耗性を強化したのこぎり。土や砂が付着しやすい場面で使いやすく、感覚的に切断力も強く感じた。
『「ゴム太郎」シリーズ』は、替え刃構造となっており、刃が傷んでも長年愛用した握り心地はそのままで使える。また、シリーズ共通のため、他の刃への交換も可能だ。プロはもちろん、本格的なDIYに挑戦したい人も使ってみてほしい。初めて使う人は驚くこと間違いなしだ。
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photo by 尹 哲郎