【避け防止】幹をきれいに剪定するバックティース搭載のこぎり『ヤマビコ』を使って切ってみた
太い幹を1回で剪定しようとして、枝の重みで木が裂けることはないだろうか。これを防ぐには、枝の下側に切れ込みを入れる方法がセオリーなのだが、手首を返したり姿勢が悪かったりと非常にやりにくい。この不満を解消するべく開発されたのが今回紹介する『ヤマビコ』だ。のこぎりの背側に専用の刃を設けたのこぎりだから、すばやく手軽に剪定できるという。気になる使い心地をたしかめてみた。
素早い切断を実現するバックティース。汎用性の高い10枚目設計
ユーエム工業(兵庫県)は、1919年に設立したのこぎり専門メーカー。同社の展開する「シルキー」は、一般的なのこぎりに採用される「アサリ」がなく、代わりにのこぎり刃を曲面研磨することで切断面を傷つけにくくしたシリーズだ。剪定などの木枝を守る用途に優れており、プロ御用達のシリーズとして長年愛されて続けている。
今回紹介する『ヤマビコ』(収納時:505×130×45mm・400g・希望小売価格 税込8,272円・発売中)は、太い枝を切断する際に起こる枝の裂けを防止するためのバックティースを設けた専用のこぎり。
バックティースとは、刃の背側に設けられた下皮を切るための刃のこと。一般的なのこぎりで下皮を切る場合、手首を返した不安定な状態で行う必要がある。しかし、バックティースのある『ヤマビコ』は、普段切断する姿勢のまま下皮を切れるので、安定した切断ができるというわけだ。
また、バックティースは、刃渡り120mm、目数10枚、切幅1.2mmで設計されており、汎用性の高い目数にすることで、快適な切断ができるようになっている。なお、通常刃は太い枝をスムーズに切断できるように考慮した設計だ(刃渡り330mm、目数7枚、切幅1.4mm)。※目数はいずれも30mmあたり
刃の交換は工具なしで可能。
抜け落ちにくいロック機能付き鞘なので、高所での作業も安心だ。
内部にローラーがあるため、引っかかりにくくスムーズに出し入れできる。
機能性がわかったところで、実際に『ヤマビコ』を使って木を切断してみよう。
いつもの姿勢でらくらく切断。食いつきが良くてスムーズな作業ができた
手首も握りも順手のまま、バックティースを当てて切断していく。力を入れる方向が逆になるためはじめは少し慣れないが、数回ためしたらすぐにコツを掴めた。深く切る必要はない。
快適な切断とされる目数10枚/30mmのおかげか、食い付きが良く扱いやすい。このまま切り続けてもいいのでは? と思ったくらいである。
あとはいつものように上から切断していくだけ。手首や姿勢を変える必要がないのでとてもスムーズに作業が進められる。のこぎりの幅が狭く先端が細いので密集した場所でも狙った枝にアプローチしやすいのが『ヤマビコ』の魅力。
比較的荒いとされる目数だが、高い切断力のおかげで無駄な力を入れずに切断できる。アサリなし構造のおかげで引っかからないし、何といってもガンガンと進むから気持ちがいい。
切断面はカンナをかけたようななめらかさ。これなら枝にもやさしそうだ。
全国のホームセンター・金物店などで発売中。
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photo by 尹 哲郎