高機能焙煎機を擁する海老名工場を始動させてたどり着いた『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック/微糖』の旨さを体感!
コーヒーの味わいを決めるのは、豆の選定と焙煎の加減、ドリップ方法。中でも焙煎は非常に奥が深く、過ぎれば焦げるし、足りなければ旨味の抽出など不可能だ。そこで“働く人の相棒コーヒー”がたどり着いた結論は、サントリーコーヒーロースタリー(株)海老名工場の始動だった。そうして生まれた『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック/微糖』を飲んでみよう。
新たに導入した高機能焙煎機で焼き上げた深煎り豆の実力。やっぱり缶コーヒーはガツンとイチキュー缶という人のための決定版!
今年7月に本格稼働を開始した海老名工場は、技術開発専用のマシンが1台と、生産用の大型マシンが2台の計3台が稼働し、開発と生産の拠点を一致させたという。コーヒー戦国時代を勝ち抜くためのサントリーの本気度がうかがえるではないか。
近年サントリーはライトなコーヒー感のペットボトル製品「クラフトボス」を大ヒットさせた。いわゆる”ちびだら飲み”という新しいコーヒー文化を生み出して、他社も追随して新しいコーヒー飲料の流れを打ち立てた。
とはいえ本格コーヒーファンにとっては不安要素になったのも事実。つまりこれからサントリーはライトで飲みやすい方向へ、全製品を集約させていくのではないかという不安だ。中でも小ぶりな”イチキュー缶”サイズを愛する、濃いめでガツンが好みのファンは、これからボスはどこへ行ってしまうのか、少なからず怯えていたと思う。
そんな濃いめファンへの回答ともいうべき製品が、工場を始動させてまでたどり着いたサントリー食品インターナショナルの『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック/微糖』(185g缶・希望小売価格 税抜115円・2018年8月7日発売)である。
こだわったのは、コーヒーの命ともいうべき焙煎。コーヒーの持つ旨味は、ほんの少しの焙煎加減で雑味や余計な苦味を出してしまうし、焦げれば味自体が抜けてしまう。ロットごとに豆を選定して、高機能焙煎機でじっくりと焼き上げた、その味わいを確認して見たい。
今回、事前にその高機能焙煎機を使用した豆を挽いたコーヒー粉を使用して、缶に入る前の味を飲む機会があったのだが、それはもう素晴らしい仕上がり。ブラジル豆の実力を思う存分発揮した香り高いコーヒーには、もう目尻が下がって仕方なかった。
ではそれを缶コーヒーの形でどの程度味わえるのか。缶コーヒーは充填後の煮沸処理が原則なので、多少なりとも風味は飛んでしまう。そこで香料を追加するメーカーも多いのだが、今回の『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック/微糖』は香料無添加で勝負をかけているのが潔い。
『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック』
原材料名は「コーヒー」のみ。プルタブを落とすと、ほのかなコーヒーの香り。ぐいっと飲むと雑味なく、酸味を感じさせる旨味重視タイプの味わい。強めの焙煎だが苦味は控えめで、まさにイチキュー缶無糖ブラックの王道の美味しさという印象。
マットな質感のパッケージングとともに、濃いめコーヒーファンを唸らせるしっかりした味。質実剛健だが、コーヒー豆の状態から飲んだものよりは、少々風味が落ちてしまっているのが惜しい。
『ボス サントリーコーヒーロースタリーズ 微糖』
その落ちた風味を取り戻すかのような働きを牛乳と砂糖で実現しているのが、この微糖タイプ。人工甘味料ではなく砂糖で実現する真っ当な甘さと、粉乳中心ではなく牛乳優先で生み出したミルキー感が、コーヒー感を加速させる役目を果たしている。これは美味しい。
コーヒーのふくらむようなボディー感と酸味と甘みのハーモニー、これこそ自動販売機でガコンっという音とともに取り出して、その場で労働の休息のために一気に味わう濃いめイチキュー感の美学だ。しかも甘すぎないところが大人の舌も唸らせるはず。
発売は今のところ、関東・甲信越エリア(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、新潟県)に限られることに注意。
公式サイトはこちらphoto by 尹 哲郎