1930年代生まれのイタリア・ミラノの老舗エスプレッソマシンの代名詞ブランド『Gaggia(ガジア)』がついに日本上陸!
近代エスプレッソはアキーレ・ガジアが世に出したこの『Gaggia』ブランドがルーツ。近代エスプレッソとは一言で「クレマ入りコーヒー」のこと。エスプレッソマシンを欧米の主要都市にある人気店に導入し、その美味しさを家庭でも味わえるよう、1952年に「ギルダ」モデルを開発し、現在のラインアップに伝統が受け継がれてきた。その家庭用エスプレッソマシンがついに日本上陸するということで、9月19日に東京・三田の在日イタリア商工会議所で記者会見が行われた。
イタリア人が愛してやまないエスプレッソの味、美味しさの証明である極上のクレマを家庭に持ち込んだ『Gaggia(ガジア)』のマシン!
通常のコーヒーとエスプレッソの違いは、抽出時に圧力をかけるかどうか。ドリップコーヒーが蒸らして浸み出すコーヒーの味を楽しむのに対し、フルシティの深めの焙煎で、細かく挽いたコーヒー豆を熱湯で圧力をかけてコーヒーの旨味をカップに落とし込むのがエスプレッソ。
イタリアでは古くから愛されているエスプレッソだが、当初は美味しいエスプレッソはプロのバリスタが職人技で入れるものと相場は決まっていた。しかし1930年代にバールの経営者だったアキーレ・ガジアが世界で初めて蒸気を使用せずに適切な温度・圧力で短時間抽出する特許を取得。それがバールに広まり、1954年発売の通称”うさぎの耳”と呼ばれた「GILDA54」で家庭にも大きく広まっていく。
「本場ミラノのエスプレッソマシンといえば、この『Gaggia(ガジア)』こそが代名詞なのです」
記者会見で登壇した「Gaggia本部」営業本部長 アンドレア・ネブローニ氏は自信たっぷりにその魅力を語る。
観衆のサイドと背後にはガジアのラインナップがずらりと並び、そのミラノデザインの美しい存在感で、その会見後に振舞われるエスプレッソへの期待を高めさせている。それらのマシンは、いまだにイタリアの一つの工場で作られているという。その品質管理への情熱も、「世界へエスプレッソの魅力を伝えたい」という情熱も同等にあるようだ。
そのマシンが生み出す極上のクレマは、日本にも入ってきていたが、今回「フジ産業㈱」が日本総代理店となり、小型全自動マシン及びセミオートマシンの日本への販売が実現したという。
2006年からはすでにアジア進出を果たしているが、今回ついに満を持して珈琲豆輸入量世界第4位の日本のファンのもとにやってくる。ガジア誕生から80周年の記念すべき年に。
記者会見が無事に終わると、バリスタたちがガジアのマシンを使い、エスプレッソを抽出し始める。その香ばしくも深い香りを会見場全体に充満させる。同時に味わうためのパンを使った軽食も用意され、場内は一気に和やかな雰囲気に。
「イタリア人は、そのエスプレッソが美味しいかどうか、飲む前にわかるんです」
一人のバリスタが語りかけながら、一杯のエスプレッソを入れてくれた。その判断基準はエスプレッソ特有の表面の泡。これをクレマと呼び、白すぎても黒すぎてもダメで、ヘーゼルナッツのような茶色になることで美味しさを証明するのだという。
実際に飲んでみるとマイルドな泡の中から芳醇なコーヒーの香りと旨味がやってきて、ただ苦い、ただ濃いエスプレッソとは全くの別物だということがわかった。これはうまい。さらにバリスタは砂糖を入れることを勧めてきた。
「本場では砂糖をたっぷり入れて飲むんです。そして溶け残った砂糖もしっかり食べる。コーヒーでもあり、スイーツの役目を果たしているんです」
通常記者はコーヒーをブラックで飲むが、試してみるとコーヒーの苦味と酸味が際立って、口の中いっぱいに味わいが広がって、美味しかった。
日本で展開するのは6機種。9月28日よりビックカメラ限定モデルの全自動マシン「ブレラ」をはじめ、「アカデミア」、「バビラ」、「アニマ DX」、「アニマ BX」及び、バールの一角のバリスタ気分を味わえるセミオートマシン「クラシック」の6機種がビックカメラにて先行販売される。中でも「アニマ」シリーズはイタリアで一家に一台の定番マシンだという。
日本にもシアトル系エスプレッソチェーンの流行で、エスプレッソ自体は気軽に飲むことができるが、こうした本場の歴史と文化を背負って立つマシンで淹れたエスプレッソの味わいは格別だ。日本の家庭でも大きく受け入れられる可能性は大いにあるはずだ。
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photo by 尹 哲郎