「ご当地シリーズ」ブランドリニューアル『九州三宝堂 海苔佐賀しょうゆラーメン/長崎ちゃんぽん/高菜博多ラーメン/久留米ラーメン』【食べ比べ】
約40年にわたり愛され続けてきた「ご当地シリーズ」がブランドリニューアル! 『九州三宝堂(さんぽうどう) 海苔佐賀しょうゆラーメン/長崎ちゃんぽん/高菜博多ラーメン/久留米ラーメン』となって新発売された。新しくなった「九州三宝堂」ブランドの味をおためししてみよう。
新フレーバーのしょうゆ味が追加!既存フレーバーもパワーアップ!
昨年創業100周年を迎えたサンポー食品(佐賀県)の「ご当地シリーズ」は、1977年に発売された「長崎ちゃんぽん」をはじめとするカップ麺商品。40周年となる今年を機に、もっと九州のうまいを届けるべくブランドリニューアルを行った。
新たなブランド名は「九州三宝堂(さんぽうどう)」。これまでの定番商品3品に新商品を加えた新たなシリーズが始動した。それが『九州三宝堂 海苔佐賀しょうゆラーメン/長崎ちゃんぽん/高菜博多ラーメン/久留米ラーメン』(2022年2月21日発売)である。すべての商品名に九州の地名が入ったことで、九州をより具体的にPR。九角形の紋を成したロゴに、老舗ラーメンを思わせるのれんデザインがベースデザインとなっている。
『九州三宝堂 海苔佐賀しょうゆラーメン』を実食!
1つ目は本シリーズで新たに加わった『九州三宝堂 海苔佐賀しょうゆラーメン』(74gうち麺60g・希望小売価格 税込208円)。佐賀県のラーメンといえば豚骨が一般的だが、佐賀県の名産である有明海産海苔のおいしさをメインとするためにあえてしょうゆベースで開発。だしにはあごだしやかつお、昆布、いりこの旨みを凝縮し、海苔の風味を活かす味わいとなっている。
のれんの色は青。かやくと粉末スープを入れて湯戻し3分。
よくかき混ぜたあと、バラ海苔と板海苔を入れて完成。海苔を売りにしているだけあって、2種類使っているのが面白い。香りにもしっかりと磯の香りが感じられる。
麺は細めの油揚げ麺。大きな特徴はあまりないが、馴染みがよく、スープや海苔の風味が感じやすい味だ。
スープはしょうゆの旨みと海苔の風味がきいた味わい。あごだしが少し強めにきいているのか、海の旨みがしっかりと感じられる。他のしょうゆラーメンと違うのは、やはり海苔の風味が楽しめること。とくにバラ海苔が麺に絡み、スープ全体に風味を広げてくれる。これは確かに海苔を堪能できる一杯だ。
具材は、海苔、なると、メンマ、ねぎといった王道のラインナップ。素朴な味わいや食感のアクセントとして、やさしく寄り添ってくれた。
『九州三宝堂 長崎ちゃんぽん』を実食!
続いては1977年に発売された「長崎ちゃんぽん」のリニューアル商品『九州三宝堂 長崎ちゃんぽん』(92gうち麺65g・希望小売価格 税込208円)。きゃべつ、キクラゲ、コーンなど5種類の彩りの良い具材がたっぷりと入ったカップ麺だ。リニューアルにあたり、魚介の風味がアップしている。
のれんは彩りの良さを表現したオレンジと緑。
かやくと粉末スープを順に入れ、湯戻し5分。仕上げに調味油をいれてよく混ぜれば完成。豚骨と炒めた香ばしい野菜の香り。
麺は太めの丸刃縮れ麺。舌触りがやさしく歯切れがいい。口に入れるとその存在感は強く、濃厚なスープと合わせても負けない。麺65gはけっして多くないが、食べ応えはばっちりだ。
魚介と野菜のうまみを合わせた豚骨スープは、調味油のコクとスパイスのきいたインパクトのある味わい。芳ばしい野菜の香りが溶け込み、他にはない独特な風味でちゃんぽんの良さを引き出している。
そしてちゃんぽんならではの彩豊かな野菜はボリュームばっちり。キャベツ、キクラゲ、コーン、かまぼこ、にんじんの5つの野菜がそれぞれ違う食感を演出し、最後まで飽きずに食べさせてくれた。麺と一緒に絡ませて食べるとまた違う表情が楽しめるのでおすすめだ。
『九州三宝堂 高菜博多ラーメン』を実食!
3つ目は1985年に発売された「高菜ラーメン」のリニューアル商品『九州三宝堂 高菜博多ラーメン』(97gうち麺65g・希望小売価格 税込208円)。具材には豚骨ラーメンでおなじみの九州辛子高菜100%を使用した、福岡や博多の味を再現したカップ麺だ。リニューアルに伴い、ごまを増量し風味と旨みをアップさせている。
のれんは高菜をイメージした緑色。
粉末スープを入れて湯戻し2分。調味油を入れて混ぜた後、仕上げに生の辛子高菜をトッピングすれば完成。香りはクセのない豚骨。
麺は豚骨ラーメンの王道を行く極細の油揚げ麺。多少ちぢれているが、食感はあまり気にならずストレート麺に近い味わいが楽しめる。コシはあまりないが歯切れがよい。
スープは比較的軽めで豚骨のうまみを素直に感じられる。香辛料が控えめでまったりとしているが、濃厚やクリーミー路線ではなくお酒を飲んだ後にスルスルッと入ってくるような味わいだ。
このちょっとそっけない味にアクセントを与えてくれるのが、トッピングの辛子高菜。少量つまんだだけで、名前に負けないピリッとした辛さとシャキッとした食感が刺激を与えてくれるから、最後まで飽きずに食べられる。ごま油を使った風味もよく、スープとの相性はぴったり。かやくはコーン、ネギ、ごま。増量したごまは確かに多めだが、辛子高菜の味が強く、存在感はそれほど強くなかった。
『九州三宝堂 久留米ラーメン』を実食!
最後は1999年に発売された「久留米ラーメン」のリニューアル商品『九州三宝堂 久留米ラーメン』(87gうち麺65g・希望小売価格 税込208円)。豚骨エキスを加え、コクと深みがアップした福岡の豚骨ラーメンだ。豚骨ラーメンの発祥と呼ばれる久留米の豚骨ラーメンだが、時代を追うごとに多様な進化を遂げており、スープやトッピングは様々。一般的にニンニクチップは入っていないことが多いが、本商品では後入れできるよう添付されている。
のれんは豚骨の白濁スープを表現した白。かやくと粉末スープを順に入れ、湯戻し5分。調味油をいれてよく混ぜたあと、後入れにんにくチップをトッピングすれば完成。
(良い意味での)豚骨くささが前面に出た香り。豚骨ラーメン発祥と言われるだけあって、ストレートに豚骨の良さをぶつけてきた印象だ。
麺は細めの油揚げ麺。記者個人としては豚骨ラーメン=ストレート麺の先入観が強く、スープとの相性は満点とは言い難い。こればかりは仕方ない。
その代わり豚骨スープのクオリティはかなり高め。リニューアルで強化された豚骨のコクと深みがばっちりとはまっていて、口当たりがクリーミー。王道の豚骨ラーメンとしての味を堪能できるから、外れることなく食欲を満たしてくれるだろう。
あといれのニンニクチップは量こそ多くないが、程よい主張具合で風味や味にアクセントを与えてくれる。具材は焼豚、きくらげ、ねぎ、ごま、にんにく。これらも王道のラインナップ。欲を言えば、ごまをもう少し多めにしてくれるとうれしい。
スープにも具材にも九州の魅力が詰まった4商品!
リニューアルした「九州三宝堂」は、いずれもご当地の名産や特色を活かした味わいだった。とくに新フレーバーの『九州三宝堂 海苔佐賀しょうゆラーメン』は、九州=豚骨のイメージを拭い、海苔の魅力をしっかりと感じられる仕立てだった。これを機に、未だ知られていない九州の魅力が広がることを期待したい。
全国のスーパー、コンビニで発売中。
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photo by 尹 哲郎/Official images