【2023年】飲み比べ 『おいしいペットボトル緑茶 新商品特集』生茶/綾鷹/颯/伊右衛門ほか全6商品【新ブランド&リニューアル】

ひと口に緑茶と言ってもいろいろあり!

 

ペットボトルの緑茶と言っても、香り・苦み・甘み、さらに他のお茶をブレンドしたものまで、その味わいは様々。メーカー・ブランドごとに独自の製法を開発して独自の緑茶へと進化している。そこで今回は、2023年に発売された気になる新ブランド緑茶やリニューアル商品をピックアップした『ペットボトル緑茶 新商品特集』をお届けする。それぞれの味わいや特徴を飲み比べしながらレビューしよう。

 

緑茶は不発酵茶の総称。生育や加工の違いで味ががらりと変わる!

緑茶とは、発酵させていない茶葉から抽出したお茶(不発酵茶)のこと。紅茶やウーロン茶、緑茶は全て同じ茶葉(ツバキ科ツバキ属「カメリア・シネンシス」の葉)から作られているが、発酵度合いによってその種類が分けられている(紅茶は完全発酵、ウーロン茶は半発酵)。煎茶や玉露茶、ほうじ茶なども生育方法や製造・加工過程が異なるが、緑茶に分類されるお茶だ。

 

そこで今回は日本で最も親しまれている緑茶に注目し、2023年に新発売された緑茶をピックアップした『ペットボトル緑茶 新商品特集』を開催。各メーカーごとに工夫が凝らされた味わいを飲み比べしよう。

 

茶葉のコク深さNo.1! 『キリン 生茶』(キリンビバレッジ)

1つ目はキリンビバレッジ(東京都)『キリン 生茶』(525mlPET・実勢価格 税込約172円・2023年4月4日発売)。国産茶葉を100%使用し、摘んでから8時間以内に冷凍した生茶葉を丸ごと搾る「生茶葉鮮度搾り製法」や、茶葉の甘みとコク・香りの余韻を引き出すための「かぶせ茶マイクロ粉砕」などを導入し、急須で淹れたような昔ながらの味わいを目指した仕立てとなっている。2023年4月にリニューアルされ、原料のバランスを見直すことでお茶らしさはそのままに、よりすっきりとした味わいになった。

パッケージデザインもリニューアル。グリーンエコロジーボトルで環境に配慮。ラベルは光沢があり高級感がある

注意書きの通りよくふってから飲んでみると、茶葉感がとても強く、コク深い味わいに仕上がっている。これが「かぶせ茶マイクロ粉砕」の効果だろうか。香りや舌触り、風味の広がり方など抹茶に似ており、余韻が長く続く。

濁り強め

お茶を飲むシーンは様々あるが、これはひと息つきたいときに飲みたい味。甘みがはっきりとしていて、渋味や苦味はうっすらと感じる程度。それでいて緑茶らしさをしっかりと感じられるおいしさだ。

フレッシュ感もあるが、味わい深さの方が強い

 

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香りの贅沢度No.1! 『アサヒ 颯(そう)』(アサヒ飲料)

続いてはアサヒ飲料(東京都)の新ブランド緑茶『アサヒ 颯』(620mlPET・希望小売価格 税込173円・2023年4月4日発売)。香りに着目した緑茶で、宇治茶の老舗「放香堂」六代目東源兵衛を受け継ぐ、日本最高位茶師十段の酢田恭行氏全面監修のもと、茶葉の一部に微発酵茶葉(萎凋いちょう緑茶)を使用し、通常とは異なる香り立ちを実現したという。同社によると、華やかさと爽やかさの2つの香りが楽しめるとか。

不発酵茶と微発酵茶をブレンドすることで、茶葉の本来の香りを引き立てている

キャップを開けるとすぐに分かる爽やかな香り。新茶のような青らしさがある。飲み口はかなり軽く、麦茶のようにスーッと喉へと流れ込む味。そして、コンセプトである2つ目の香りが中盤になって急激に表れてきた。凛とした花のような、まさに華やかな香り。やや酸味が強く、フレッシュ感のある味わいだ。

後味にはお茶の旨味と渋味が強く残り、緑茶らしさがぐっと出てくる。香りも味わいも、2度ずつ楽しめる1本だ。

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さっぱりしたあまみNo.1! 『綾鷹 茶葉のあまみ アニメ「鬼滅の刃」限定デザインボトル』(コカ・コーラシステム)

3つ目はコカ・コーラシステム(東京都)『綾鷹 茶葉のあまみ アニメ「鬼滅の刃」限定デザインボトル』(525mlPET・実勢価格 税込104円・2023年4月10日発売※数量限定)。「綾鷹」よりも苦味と渋みを抑えた飲みやすいシリーズが、さらに爽やかな甘みにリニューアルした。

爽やかなあまみを引き出すために、緑茶に水出ししたあまみ茶葉(玉露)を加えて茶葉のバランスを調整したという(玉露は甘みが特徴の茶葉)。

炭治郎・義勇ver.

パッケージは、4月よりTV放送が始まった「鬼滅の刃」 刀鍛冶の里編とのコラボデザイン(片側は通常デザイン)。ラベルの二次元コードを読み取ると、ボトル記載の2人のキャラクターが話す「綾鷹コソコソ噂話」を聞くことができる。

よくふってから飲もう

「綾鷹」よりも鮮やかで透き通った緑色。香りはほとんどないが、口に入れると凛とした茶葉の風味が広がった。苦みと渋みは全くと言っていいほどなく、その分旨味と甘みが感じられる。と言っても、爽やかさに重点を置いているためか、味も香りも全体的にさっぱりとした仕立て。しっかりとした茶葉感を楽しむよりも、暑い日にゴクゴクと飲みたくなる緑茶だ。

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新感覚緑茶No.1! 『からだリフレッシュ茶W』(コカ・コーラシステム)

後半戦1本目は、コカ・コーラシステム(東京都)『からだリフレッシュ茶W』(440mlPET・希望小売価格 税込172円・2023年3月27日発売)。「ストレス」と「疲労感」(仕事や勉強による一時的な精神的ストレスや疲労感)の2つにはたらくGABAが配合された機能性表示食品(届出番号H591)の緑茶だ。よりリフレッシュ感を感じられるようにレモン果汁が使った香りづけもされている。

 

1本(440ml)あたりGABA28mg配合

口を近づけると、すっきりと香るレモンの香り。お茶の色も黄金色で、まるでレモンティーみたいだ。しかし、味は今まで飲んだことがない不思議な味。口に入れた瞬間はレモンの酸味が広がる爽やかな味だが、後半になるとふわっと緑茶のふくよかな味わいが膨らんでいく。

指原莉乃のTVCMでもおなじみの、脂肪と糖にWではたらく『からだすこやか茶W』と同じ、Wではたらくシリーズだ

後味になるほど茶葉の風味が強くなり、緑茶とも紅茶とも違うおいしさが楽しめた。爽やかな味やリフレッシュ感よりも、この独特な味にやみつきになりそうだ。

440mlで背が低い容器なので、持ち歩きにも便利

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お茶のいいところ取りNo.1! 『伊右衛門 澄みきるブレンド茶』(サントリー食品インターナショナル)

5本目は、サントリー食品インターナショナル(東京都)『伊右衛門 澄みきるブレンド茶』(600mlPET・希望小売価格 税込172円・2023年4月11日発売)。はと麦・炒り米・大麦・緑茶・ルイボスの5つの素材をブレンドすることで、複層的な香りとすっきりとした後味を実現したブレンド茶だ。また、食物繊維の1種であるイヌリンを配合していたり、カフェイン量を1mg/100mlに抑えた低カフェイン設計だったりと、健康を意識した人にも飲みやすい緑茶となっている。

味にも香りにも、麦の香ばしさがあり麦茶にかなり近い味。複雑ではなく複層的と表現するのも納得できるほど、5つの素材の味が分かりやすく感じられる。とくに中盤以降は甘みがぐっと際立ち、麦にはない緑茶の味を楽しめた。

後味はすっきりとしたルイボスティーに近い爽やかさなのもおもしろい。麦茶、緑茶、ルイボスティー、それぞれの味のいいところを楽しめる1本だ。

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華やかな甘さNo.1! 『晴れのち曇り時々お茶』(伊藤園)

天気のことわざ「ツバメが高く飛ぶと空が晴れ、低く飛ぶと雨が降る。」から着想を得てデザインされた2匹のツバメ

最後は伊藤園(東京都)『晴れのち曇り時々お茶』(500mlPET・希望小売価格 税込172円・2023年4月3日発売)。「晴れの日も曇りの日も一杯のお茶が私を前向きにする」をコンセプトに作られた、新フルーツティーだ。清涼感や焙煎の香りを楽しめる緑茶やほうじ茶(焙煎した緑茶)をベースに、りんご、レモン、ももの果汁(合計10%未満)と植物由来の乳酸菌をブレンドしている。

紅茶(発酵茶)ではなく、緑茶(不発酵茶)で楽しむフルーツティー

果汁が使われているだけあって、芳醇なフルーツの香りが漂う。見た目はりんごテイストに見えるが、香りはもものように感じる。ひと口飲んでみると、これまた不思議な味。一言で表すなら爽やかなりんごジュースだが、その中にいろんな味が隠れている。前半はリンゴ主体の甘さと酸味。しかし甘ったるさはなく、とても軽やかで飲みやすい。

ジュースのようでジュースには感じない甘いおいしさ

後半になるとほんの少しだけ緑茶の味がふわっと現れて消える。そして余韻にはフルーティーな風味が残るのだ。なるほど、たしかに時々お茶。甘すぎないジュースが飲みたいときにおすすめしたい。

クリアなのど越し。甘みは微糖レベル

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2023年の新商品は系統が違う緑茶ばかりで楽しい!

今回飲み比べした緑茶は、いずれも強い個性を持ったお茶ばかり。おなじみの『キリン 生茶』は緑茶感はそのままに飲みやすくなったし、新登場の『アサヒ 颯(そう)』や『伊右衛門 澄みきるブレンド茶』、リニューアルした『綾鷹 茶葉のあまみ アニメ「鬼滅の刃」限定デザインボトル』は、緑茶の魅力をさらに引き出してくれた。『からだリフレッシュ茶W』や『晴れのち曇り時々お茶』にいたっては、緑茶の枠にとらわれない斬新なアイディアで楽しめた。2023年は緑茶PETボトルが豊作の年となりそうだ。

 

入手は、コンビニやスーパーマーケットなどで可能だ。

 

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記者

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森脇 学

20代男性。工学系出身ライター。食品・工学・アニメ・漫画と幅広い知識を活かして執筆中。関東住まい。

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photo by 尹 哲郎

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